敗戦の日から半世紀。戦後派短歌、前衛短歌から、「はっぱふみふみ」、ライトヴァースまで。斎藤茂吉、釈迢空、寺山修司、俵万智ー。現代短歌をリードする著者が選ぶ戦後の名歌百首。時代の素顔を描き、日本人の心象をうつす定型詩の世界に、簡潔にして適切な注釈と解説で導く、待望のアンソロジー。
スミソニアン「爆原展」はなぜ挫折したのか?全米に激烈な論争を巻き起こしたエノラ・ゲイ事件の顛末を、元館長自らが綴る第一級のドキュメント。ついに実現することがなかった幻の展示の全貌。
「ああ、おなかがすいた…むにゃ…」ミニー・マラコフは、ふうとうのふとんの中で、耳をかき、ねがえりをうちました。ミニーは、地下鉄のトンネルにすんでいるはつかねずみの女の子。「ちゃんと晩ごはんをたべたから、ほんとにおなかがぺこぺこってわけじゃないんだけど…なんかおいしいものがたべたい…」目をつぶったまま、ミニーは鼻をひくひく。すると、ゆめの中にりんごがぽっかりとあらわれました。ミニーが、きのう、地下鉄の駅のホームの下でひろったりんごです。
「直観は正しい。直観は神の観方を体感して得るものなのだ」。その直観に導かれての旅は、不思議な出来事の連続だった。偶然はやはり必然なのか。「芸術とは天界を地上に映すこと」。神の意思を伝達する道具たらんと欲する著者に、遂に宇宙人からの交信が復活する。画霊・横尾忠則の辿る精神世界の旅、第四弾。
世紀末ウィーンの細部から『夢判断』の衝撃、ユングとの交友と決別、ドーラや鼠男、狼男など患者の様子ほか、フロイトにまつわるすべてを時代のうねりと共に描き尽くした伝記決定版。
知の領域を縦横無尽に越境し、光の謎と神秘を語りつくす。
正月は鯛の浜焼で酒敵を迎え、夏は虎魚尽しの宿へ旅する、食いしん坊が訪ね歩いた絶品44種、誇るべし、食らうべし。
改めて「国の栄辱」と「独立自尊」を問う。舌鋒鋭く、また切々と胸を打つ、慶応義塾大学最終講義を併録。
独得の節回しと数々の名曲で、昭和・平成の日本を熱狂させる都はるみ。少女期から歌手デビュー、トップスターへの道、美空ひばりとの出会い。そして、レコード大賞受賞までの軌跡、突然の引退宣言。復活から今日まで。日本を代表する歌手の実像と素顔を入念で徹底した取材に基づいて描く、著者渾身のノンフィクション。
全員一致の決議は無効ー二千年前のユダヤ人はそう考え、そう実行した。なぜか?全員一致の決議こそ最も有効ー日本人は現在もこの言葉に疑いを抱かない。なぜか?日本人を震撼させた衝撃の書、いま甦る。
藤沢さんが遺した世界。惜しんであまりある、この作家。六十九年の生涯と作品の魅力のすべてを語りつくす。愛読者のための、完全編集版である。
世界的捕鯨漁隆盛の時代に楽園の島をみまった領有権の行方。
アダルトチルドレンとは決して特殊な人間ではない。経済的に豊かな先進国ではどこにでも見られる、この世紀末にはごく一般的な人たちである。アダルトチルドレンとは人を愛することができずに、ただひたすら愛されることを求めてしまう、どこか子供のままで、大人になることに失敗した人たちである。この過剰にすべてがあふれる時代にあって、わたしたちはみな窒息状態となり、なにか大事なものを失ってしまったのじゃないだろうか。この失ったものをもっとも敏感に感じ取るのは、いつも次世代を担う子供たちである。そして、子供たちは成長することを拒否し始めた。わたしたちが失ってしまった大事なものとはなんなのか、子供たちが成長することを拒否するとはどういうことなのか、その結果なにが生まれてきたのか、そんなことを説明、分析し、解明しようというのが本書の狙いである。