無名時代の藤沢さんの内面を鮮明にしるす、新発見の書簡。そして二十代の詩篇、俳句。完全編集版としてここに完結。
いま、あざやかに蘇る日本誕生の物語。詳細な注釈、読みやすい語り言葉で綴られた決定版現代語訳。古事記の原型に近い「語り」を生かした口語体による完訳版。古事記研究の最前線に立った詳細な注釈。古事記の書かれた時代背景の理解に役立つ解説。地名・氏族名解説、神々および天皇の系図、地図など豊富な資料。古事記に登場する動物・植物のイラスト入り。詳細な三種の索引(神・人名、動物・植物名、注釈事項・語彙)付き。
著者の生涯と作品を顧みる諸家の随想を収録し、併せて小林秀雄年譜、作品解題、著書目録、標題索引を収めた。書名とした「無私を得る道」は、著者が色紙に残した言葉「批評トハ無私ヲ得ル道デアル」に由来する。
明治十五年、近在屈指の大地主の長男として生まれ、九歳の時母自殺。以降徐々に家は没落、時代の傾斜と並ぶようにやがて不幸の淵に沈んでゆく。大正十四年出家。大正十五年四月、解くすべもない惑ひを背負うて、行乞流転の旅に出た。分け入つても分け入つても青い山(「俳句」大正十五年)九州から東北まで漂泊托鉢。行乞生活を記録した句は数奇な生涯を凝縮。俳句、随筆、行乞記の三章でその真髄を纏める。
「外なる世界と内なる世界、外なる法則性と内なる道徳性との間に横たわる深淵は、ただ自由な魂だけがこれに橋をかけることができる」(本書「あとがき」より)。刊行後100年以上経つ現在も、まばゆい光芒を放ち続ける、シュタイナー全業績の礎をなしている認識論哲学。社会の中で否応なしに生きざるを得ない個としての人間は、個人の究極の自由をどこに見出すことができるのか。また、思考の働きは人類に何をもたらすのか。シュタイナー四大主著の一冊。
ランドスケープデザインの世界を知るために。仕事の実際、必要不可欠な知識がすぐに学べる。
真珠のように美しく気高い、男爵の娘・瑠璃子は、子爵の息子・直也と潔い交際をしていた。が、家の借金と名誉のため、成金である勝平の妻に。体を許さぬうちに勝平も死に、未亡人となった瑠璃子。サロンに集う男たちを弄び、孔雀のように嫣然と微笑む妖婦と化した彼女の心の内とは。話題騒然のTVドラマの原作。
日露戦争の復讐と版図拡大に野望をいだくスターリン、原爆を投下し戦後政略を早くも画策する米英、日ソ中立条約を頼り切ってソ満国境の危機に無策の日本軍首脳ー三様の権謀が渦巻く中、突如ソ連軍戦車が八月の曠野に殺到した。百万邦人が見棄てられた昭和史の悲劇を、『ノモンハンの夏』の作家が痛烈に描く。
深川の長寿庵の主人であり、源三郎の下で岡っ引を長年つとめてきた長助が、お上から褒賞を受けた。町内あげてのお祭騒ぎの中、取り残されたように、一人ぼんやり店番をする女房おえい。が、そのおえいが気になる人物を見かけ、目の前で思わぬ事件がおこる。表題作ほか、「千手観音の謎」「嫁入り舟」「唐獅子の産着」など全八篇。
昭和十年の創設以来、世紀を越えて日本文学の本流をリードしつづける「賞の中の賞」の名作を完全網羅。芥川賞選評・受賞者のことば・年譜収録。
70年をかけ全国の名庭を歴覧してきた京都林泉協会による、庭園鑑賞のエンサイクロペディア。歴史と思想、地割、石組、苑路、石造品、建造物等、庭園を理解するために必要な要素のすべてをまとめた。全国約1300件の名園と所在地を掲載、関係年表・参考文献目録など資料も充実。
この稀有の作家を語りつくした、さまざまの人人、さまざまの文章。愛読者にはみのがせない一冊。全集二十五巻にそえて。
日本の都市の美しさとは何か、いかにしてそれをつくるのか。デザイナーはどこに目を配り、何をなすべきか。美しい都市の再生に向けて、8人が語るデザインの作法。
親鸞の思想は、直弟子たちの聞書きなどに書きとめられた言葉によって、死後はるかな時間をへだててしだいにその巨きな姿をあらわした。非僧非俗の境涯に集約されるその知の放棄の方法はどのようなものだったのか?宗教以外の形態では思想が不可能であった時代に、仏教の信を極限まで解体し、善悪の起源とその了解について思考の涯まで歩んでいった親鸞の姿を、著者は全身的な思想の集注で描ききっている。