観客とのコミュニケーションづくりにパワーを発揮する芸能山城組初のCD。巨大太鼓の響きが実はエフェクトを加えた日本の平太鼓だったり、とびはねる肉声がトーン・クラスターだったりと超ハイテックなサウンドがいっぱい。至福に浸れそう〜。
ひさびさのゴジラもの(91年)と東映アニメの名作(63年)が並んでも実に調和がとれていて奥深い展開が連関しているのはさすがというほかない。どちらも2003年晩夏の録音。情景全体、空の動きと人や動物の脈動さえも描き出されている。偉大なる音楽家ゆえの作。
祭り囃子といっても、江戸、東京のお囃子です。もともとは京都の祇園囃子なんだが、多分江戸も後期になって、今のような五人囃子の江戸風音楽構造を獲得したんじゃないかな。組曲は若山胤雄編曲で、基本は祭り囃子だが、何故か突然オルゴールも登場する!
ブロンフマンのよるプロコフィエフのピアノ・ソナタ9曲の録音がこれで完結。相変わらず見事なタッチで弾き進むが、以前よりも余裕が感じられ落ち着いた演奏になった。勢いとスリルから成熟へ、というところだが、それならばこの一本調子も何とかしないと。
『ガウチョ』以来20年ぶりに発表された、2000年の8thスタジオ・アルバム。歌詞・楽曲・編曲・演奏すべてにおいて叡智を極めた彼らの方法論が健在であることを証明。歴史的な名作だ。
少女の頃に海岸で出会って以来友情を温めて来た、歌手に憧れる奔放な少女と、弁護士志望の箱入り娘。性格も生き方もまったく異なる2人の、30年以上にも及ぶ女の友情を描いた人間ドラマ。
戦国乱世の時代、戦場を駆けた男だけでなく、女たちもまたそれぞれに「闘いの日々」を送っていた。異例の出世を遂げた豊臣秀吉の妻・北ノ政所、夫の異常なまでの嫉妬にさらされ続けた細川忠興の妻・伽羅奢(ガラシャ)から、戦上手で変わり者の侍大将に思いを寄せる人妻の由紀、夫を徹底して働かせた遊び好きの小梅まで、有名無名六人の女性が戦乱の中で咲かせた「花」を描いた珠玉の短篇集。
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。
近代哲学の父にして偉大な数学・物理学者でもあったデカルトが、『方法序説』の刊行後、形而上学にかかわる思索のすべてを、より精密に本書で展開。ここでは、一人称による六日間の省察という形式をとり、徹底した懐疑の積み重ねから、確実なる知識を探り、神の存在と心身の区別を証明しようとする。この著作は、その後、今日まで連なる哲学と科学の流れの出発点となった。初めて読むのに最適な哲学書として、かならず名前を挙げられる古典の新訳。全デカルト・テキストとの関連を総覧できる註解と総索引を完備。これ以上なく平明で精緻な解説を付した決定版。
“私たちの心のすべては、私たちの脳のニューロンの発火に伴って起こる「脳内現象」にすぎない”。人間を、世界のほかのあらゆるものと区別するのは、「心」の存在だ。そして、われわれの心の中のすべての表象は、クオリアというそれ以上分割できない単位からできている。風にそよぐ木々の動きや葉の色、鼻孔をふるわす芳香ーさまざまなクオリアたちを表象する“心”が、脳内にいかにして現象するか。さらにクオリアと「私」の心を結ぶ「志向性」の新たな展開とは?脳科学の現在から「私の心」の見取り図へ。模索する独創的思考の息づかいが感じられる格好の入門篇。
時代は昭和へと移る。金五郎は若松市会議員となり、すでに押しも押されもしない貫禄の親分である。しかし波止場の近代化の陰に、吉田親分との因縁の対立は徐々に深まる。マンと彫青師お京、金五郎をめぐる女たちもしのぎを削る。明治から昭和戦前に至る北九州若松を舞台に展開するロマンティシズム溢れる波乱万丈の物語。完結。
世界を席巻するやみつきパズル「数独」。パズル制作集団ニコリの擁する精鋭作者56名が各々自選したオールタイム・ベスト100問を集結。初心者向け問題から芸術的難問まで、数独の真髄ここにあり。
英国の著名音楽ジャーナリストが、巨匠たち自身とその周辺へのインタビューを通じてそれぞれの音楽について考察した名著。
伝統工芸ってどんなもの?日本の伝統工芸がはぐくまれた歴史的な背景と現在つくられている伝統的工芸品を素材別・種類別に解説します。わたしたちがくらす都道府県ごとに、地域に伝わる伝統的工芸品の由来や製造工程などを徹底的に紹介します。現在の日本の伝統工芸産業のかかえる問題、明るい未来のためのとりくみなどを、データで分析。全国の伝統的工芸品の産地組合、産業会館などをまとめた、見学や体験学習に役立つ資料も満載。
一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄のため、理不尽ともいえる仇討ちを甥に挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「割れた月」など「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」と作者が語った初期の名品集。
司馬遼太郎の「対談」は彼の作品であり、そのなした厖大な仕事の山脈のひとつであるーそのような考えに基づいて編まれたこの対話選集は、各界の第一人者60人と縦横に語り合った、司馬対談の集大成といえる。第1巻には湯川秀樹との「日本人の原型を探る」、E・O・ライシャワーとの「日本人物史談」等、6篇を収録。