ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという画期的な概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。不朽の名著、待望の新訳決定版。人類社会のアルケーヘ。
三井財閥と久能木一族が争った一等地・日本橋室町、薄幸の皇女の影をひきずる林野庁宿舎跡地、天海僧正が京都を模した上野の山…。どのような土地にも、時を経ても消えることのない歴史・記憶の堆積、「地霊(=ゲニウス・ロキ)」がある。それは、土地に結びついた連想性と可能性を生み、その可能性の軌跡が都市をつくり出していく。江戸から平成まで、近代の東京の歴史は、そうした土地の歴史の集積として見ることができるだろう。数奇な変転を重ねた都内13カ所の土地を、新しい視点から考察し、広く話題を呼んだサントリー学芸賞受賞作。
かけもちバイトで生活は安定したけれど、肝心の絵の仕事は成果なし…。そんな時、思いがけない連絡が舞い込んできて、ふわふわした浮き草暮らしにとうとう終止符が。
ファーブル『昆虫記』、ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、ガリレオ『星界の報告』、ニュートン『プリンキピア』、アインシュタイン『相対性理論』等々、世界を変えた理系本を取り上げ、知っているようで知らないその中身、当時のエピソード、そして現代にどう役立てるかなどをわかりやすく解説。エデュケイション(教育)とエンターテインメント(娯楽)が合体したエデュテインメントな一冊。
豊富な写真で栽培のしかたがわかりやすい。寒冷地、中間地、暖地の栽培カレンダーつきだから全国で「植えつけ」「収穫」の適期がよくわかる。人気の野菜80種の詳しい育て方。
師匠の遺した剣の秘伝書を、三人の弟子が追う「秘伝」。自分より強い男の妻になりたいと望む女武芸者のもだえが切ない「妙音記」。清廉潔白で慎み深いあまり、変わり者と呼ばれる「弓の源八」。武芸にかけては神技の持ち主でありながら、世に出ることなく生涯を送った武芸者八人の姿をユーモラスに描く円熟の短篇集。
町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて…なんと引きこもりに!?泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾。
今からジャニーズの一員になることがあろうかと考えたり、電車で武将OLに出会ったり。俗世間をイノセントに旅する歌人・穂村弘が形而下から形而上へ言葉を往還させながら綴った“現実日記”。ほんのり笑って、時に爆笑。フジモトマサルのひとこまマンガ+カットでニヤリもプラス。長嶋有・名久井直子ペアの「偽ょっ記」収録。
1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。単行本に大幅加筆し、猪木氏へのインタビューを含む完全版。
寺社をめぐり、島に渡り、山を仰ぎ見る。乗り物に運ばれるのではなく、自分の足で歩く旅がしたい。敬虔な気持ちでまわりをよく見て、こまかいことに気をつけ、土地の人の言葉に耳をすます。伊勢神宮、宗谷岬、気比の松原、こんぴらさんの石段、那智の滝、隠岐の島、四国の遍路道、桜島、富士山ー。デイパック一つを背中に日本各地を足まめに歩いた著者が、あるべき風景の原点に触れ、歩く旅の魅力をあますところなく綴った、滋味あふれるエッセイ。
動物がそばにいると子どものこころに何が起こるのか。ペット飼育・絆・教育・セラピー・虐待などのテーマを、発達心理学・精神分析学・社会学など多方面から見ることで、動物と子どもの全体像が解き明かされる。教師・親・カウンセラーに知ってほしい重要性と問題点。
「歴史主義的普遍性」の基盤を大胆に覆す鋭い知性。新たな思考の視座を極めて丹念に布置・構築して行く、最も現代的な「知の震源」柄谷行人の鮮やかにして果敢な挑戦。名著『マルクスその可能性の中心』につづく柄谷思想の原点となる歴史的快著。
多くの文化の祭式において、本来拒否されるべき不浄なるものが聖なる目的のために使われるのはなぜだろうか。フレーザーからサルトル、エリアーデにいたるまで多くの人類学的成果を吟味しながら、穢れを通して浮かび上がる、秩序と無秩序、生と死、形式と混沌の関係に鋭く迫る。穢れとは、秩序創出の副産物であると同時に、既存の秩序を脅かす崩壊の象徴、そして始まりと成長の象徴であり、さらに穢れと水はその再生作用において同一をなすものであると位置づける。1966年の刊行以来、世界中に大きな衝撃を与えた名著。
近代哲学の父デカルトが、形而上学・自然学における全ての知を書き記した『哲学原理』。ここでは、『方法序説』で打ち出され『省察』で精錬されたデカルト哲学が、中世スコラ哲学との対峙・対決を通して、ついに完成をみる。後年のスピノザによる講釈や、ニュートンが愛読したことでも名高く、加えて近年では、人間の自由意志への解釈などが展開されている点で新たな注目を集めている必読古典書。この文庫では『哲学原理』第一部(形而上学の部分)を新たに全訳し、最新の研究成果を盛りこんだ訳者注解を完備、第二部以降(物理学・天文学・地学等)の要約を付す。
「見つけたよ、いろんなお顔、笑顔のぬくもり」仲良しカエルけろんた&ぴょんすけと一緒に笑おうよ!喜・怒・哀・楽の大切さを描いた絵本。