やがて大量虐殺へと進むヒトラーの迫害を逃れて極東にやってきたユダヤ人に、日本はどう対処したのか?ユダヤ問題を直接的に体験してこなかった日本は、彼らの世界支配の陰謀と呼ばれるものへの恐怖感と、残虐な人種政策の犠牲者への同情のはざまで一貫した対応はできなかった。しかし、リトアニアでの杉原千畝副領事の「命のビザ発給」、満洲での樋口季一郎将軍の「大量難民救出」など、ナチス・ドイツに同調せず、ユダヤ人を絶滅から救った例もある。ハルビン・神戸・上海を舞台に、当時の日本の関わりを克明に描いた労作。
「詩歌天体星団」、「詩歌大爆発」、「大騒動」などのパフォーマンスによっていち早く毛沢東政権への異和を表現してみせた抵抗の詩人、黄翔。しかし、彼の詩は、決して政治のみに従事することなく、故国を追われ、表現の自由を奪われたいまも、その苦しみを、生の真髄を表現してやまない。「地下」文学、亡命文学の貴重な位置を担う黄翔の本邦初翻訳詩集。
大都会に似合わぬ素朴さ上海ー個性豊かな香港ータイ王朝の末裔かバンコクー気品漂うハノイー“猫市”クチンー家の守り神バリ島etc.
著者は、丹下健三事務所で多くの海外プロジェクトに参加し、長期滞在しながら様々な世界を見歩いてきた豊富な経験を持つ。本書では、アフリカの熱帯や中東の砂漠、あるいはチベットやモンゴル等、悠久の時を経てきた伝統世界の19の国や都市から著者の五感を通して、建築創造力の原点を探る。
上海と新宿、二つの殺人事件を結ぶものは何か?外交問題、汚職、黒社会…急激に発展を遂げた国際都市の混沌を掻き分けた浅見は、驚くべき真実にたどり着く…!歴史の歪みにいざなわれて浅見光彦が魔都の闇に挑む。
2002年、エルサレムで『ヤコブ、ヨセフの息子、イエスの弟』と銘記された骨箱が見つかった。イエスとはあのイエスなのか?イエスには弟がいたのか?骨箱は本当に2000年前の物なのか?マリアは処女ではなかったのか?キリスト教社会は騒然として大揺れに揺れている。本書は考古学、聖書学、歴史学の多方面からその真偽の謎にせまり、初代キリスト教と教会の最初の指導者、「イエスの弟ヤコブ」の姿を生き生きと蘇らせる。死海文書を越える衝撃のドキュメント。
蘇州、揚州、杭州、紹興、寧波そして上海近郊に眠るように残る水郷地帯の小さな町や村。中国史や漢詩の世界が、旅人の目の前で再現される。
フランス革命が生んだ言葉「アンシャン・レジーム」は、その後の歴史の流れのなかで、時代により論者により、さまざまな意味や内容を担わされてきた。「旧体制」はどこでどのように機能し、いつ始まっていつ終わったのか。また、アンシャン・レジームをめぐる概念の変遷は、同時代の政治的・思想的脈絡とどのように絡みあっていたのか。一見自明に見えて複雑な問題の広がりをもつアンシャン・レジーム概念の捉え方の流れを追い、近代史を考えるうえでもつこの概念の重要性を明らかにする。
ある日突然、悪魔というおぞましい存在によって、幸せな日々を断ち切られてしまうグラブス。少年の一族の恐ろしい呪いとは。魔界に住む悪魔“ロード・ロス”とは。主人公と悪魔たちの戦いが始まる。
かつて経験したあの夜のマルゴーの細かいデッサンは少しずつ油絵の風景に変わりつつある。不用意にも、すばらしい料理とワインが作る至福の時を体験してしまった。もう戻れない。ワインの道は一方通行。旅を続けるしかない。そしていつかあなたとグラス一杯のマルゴーのあの色、あの香り、あの味のことを一緒に語りあえるかも知れない。
最高の音で楽しむために!