文化大革命の燃え上がる初期の1966年8月、熱狂的な、若い紅衛兵の一団が、51歳になる、元国民党政府外交官の未亡人、鄭念とその愛する娘、梅平の住む、洗練され居心地の良い上海の家に乱入し、破壊と略奪の限りを尽くす。数週間後、鄭念は逮捕され、第一拘置所におくられる。彼女は、そこでその後の六年以上を、独房に幽閉生活の迫害と屈辱に耐えねばならなかった。この本は、彼女自身が、この痛ましい時代とその後を回想して記した、人間の真の強さを伝える、感動的な物語である。
世界の富とデカダン、阿片と陰謀の煌めくこの都に恋と未来を託した3人の女。そして、日本、中国、ユダヤを巡るオペレーション“トパーズ”の行方はー?
魯迅は、いまさら言うまでもなく、アジアを代表する世界的な文学者の一人です。たとえば、一九二七年、ノーベル賞選考委員会は上海へ特使を送ってきました。その年の文学賞を受けてくれるかどうか、魯迅の胸中を打診しにきたのです。ところが魯迅は、それから十年とは生きておりませんでした。そしてここに不思議は、彼の臨終に立ち会ったのが、彼の妻と弟のほかは、みんな日本人だったという事実です。日本を心底憎みながら日本人を心から愛した魯迅。それはこの魯迅とその妻と、彼の臨終に立ち会った四人の日本人の滑稽な、しかしなかなか感動的な物語です。
“東洋のバビロン”上海。かつて東洋一の繁栄を誇っていた都市の裏にはアヘン巣窟のボス、抗日テロリスト、女スパイなどの暗躍があった。東洋と西洋が混ざりあい、複雑な魅力と活気に満ちた魔都に惹かれた作家・ジャーナリスト15人が1911年〜1987年の上海のさまざまな顔をてらし出す。妖しい都市にとりつかれた編者による文庫オリジナル。
業界一の化粧品メーカーが打ちだした来年のテーマは、“戦前で時間が停まったような街”上海。キャンペーンガールも、つば広の帽子に中国服、当時そのままの上海レディだ。取材で神戸ー上海を結ぶ鑑真号に乗ることになった女性誌記者弓芙子。だが、出港前から彼女の命を執拗につけ狙う謎の女が現われる。そしてついに密室と化した船内で血の兇行が。
1945年3月、上海。革命と反革命のカオス、酸鼻をきわめる近代日中交渉の修羅場ー青春の時をそこに持った著者が、十年後の中国再訪直後に執筆した本書は、「中国について日本人が、戦後に書いた、もっとも美しい本のひとつ」(大江健三郎)であり、また「苦渋のあじわいをひそめた本」(同)である。現代日本人にとって中国体験とは何か、中国を理解するとはどういうことなのかを、深く多様に問いかける希有のエッセイ集。
中仏混血美人の継母による継子支配といじめ、財産乗っ取り、そして遺産相続をめぐる奸計…香港で莫大な財をなした上海人富豪一族の三代にわたる愛憎ドラマ!継母との激しい葛藤に耐え、激動の時代を生きた中国女性の自伝。
今世紀もっともセンセーショナルな作品を残した画家ベイコンの、はからずも死去直前に行われた対談。本書の対談テクストに、D・シルベスターらベイコン研究者によるインタヴューや親しい人々の証言を対照させ、最新のベイコン研究の情報を網羅した詳細な訳注を付加。ベイコンの主要作品とともに、ピカソをはじめその作品創造に影響を与えた絵画・写真をあわせて収録。
いかなるラディカル・デモクラシーか!経済に矮小化された政治的なるものの価値を問い、自由民主主義の新しい組み替えを主張する。
現代に生き続けるインドの伝統医学。アーユルヴェーダは、古いものでありながら、現代の医療がかかえている問題や足りない部分を補ってくれるものです。実際、西洋では仏教と同じように急速に広まり人々に受け入れられています。アーユルヴェーダの真髄は、人間は一人ひとりが個性をもっていて、それぞれの体質や遺伝的な素質、病気へのかかりやすさなどの素因が異なっていると考えていることです。
上海の歴史を解説したガイドブック。上海の主要街区の過去と現在を地図に表した「地図編」と、歴史的建築や観光スポットなどの名所旧跡等、823項目を解説した「解説編」で構成される。年表、索引付き。
入門から知られざる至高の味わいまで、奥深い中国茶の世界へ、ようこそ。想像を越えたスゴイお茶もあります。ゆったりと味わうためのわかりやすい、手順と知識。種類が多過ぎて覚えられない、値段と味の関係がわからない、高いのに、マズかった、入れ方、手順、道具の使い方がわからない…と、おなげきのあなたに。