証券マンだった飛島武司は、かつて仕事での危機を、顧客の龍道に救われた。それから、飛島と龍道との奇妙な付き合いが始まった。龍道の導きで、上海出身の明子と名乗る女性と出会った飛島は、ささやかな幸せを手に入れたかに見えたが、明子が突然、飛島の全財産をもって姿を消してしまう。明子の行方を必死で追う飛島は、結婚詐欺組織の背後に龍道の影を見つけるが…。嘘と罠が渦巻く、傑作クライムサスペンス。
ストーカーー人間の心の奥底に潜む悪意はふとしたことで、簡単に顔を出す…。K女子校に通う小曽根真琴は、ストーカーに悩まされていた。親友・亜美にはよく当たるという占いを勧められたりするが、気乗りがしない。エスカレートする無言電話に思い詰めた真琴がとった行動ーそれは、最悪の選択だった。しかも、その真琴の決断は、あらかじめ予定されていたかのように次の惨劇を生む。連鎖する殺人事件…。路上の占い師・未来は運命に導かれ、この街にやってきた。街にはびこる悪意を断ち切るためにー。
十歳のろうあの黒人少年デクスターは凶悪殺人の罪により禁固五十五年を言い渡された。金欲しさで通り掛かりの老女を射殺したのだ。二年後。判事助手として働くノーラは判事から、この事件の上訴を棄却するよう命じられる。上訴は有罪を不服とした彼の祖父が起したものだった。訴状を見たノーラは驚く。祖父カールはなんと二軒隣の住人だった。法律家は担当事件の関係者との接触が禁じられているにも拘わらず、好奇心を抑えられない彼女はカールに会いに行く。そして、調べるうちに事件が冤罪ではないかという疑問を抱き始めるのだが…実力新人が放つ、大型社会派サスペンス。
1901年、中国・上海に中国ビジネスのエキスパートを養成する学校が設立された。「日中共存共栄」を教育理念とするも、時代は日清戦争勝利からまったく逆の方向へと進み始めていた…。文化創設の先輩国として尊敬の対象だった中国人のことを日本人は「ウドの大木」と見下した言い方をするようになる。以降敗戦まで、理想と現実と闘いながら東亜同文書院の歴史は半世紀で幕を閉じた。だがー、卒業生たちは世間からスパイ学校、帝国主義・日本の手先との理不尽な偏見を受けながらも、けっして声高に反論せず、行動によって、その「証」を残そうとした。本書は百年の歳月を経て現代でも生き続ける日中共存の英知を発掘した彼らの足跡を追った渾身のノンフィクションである。
二十世紀初頭、列強各国のスパイや地下組織がしのぎを削っていた魔都・上海で、五歳の少年・朱雀が見たものは?ファン待望の朱雀幻夜シリーズ、第一弾。
本書はあなたにヒエログリフの精神を初歩から手ほどきし、魅惑的な世界の内側へ数歩でもお招きするために書かれた。ヒエログリフを知ることで古代エジプト人の世界観を共有できるようになるだろう。ヒエログリフの世界を散策し、いろいろな絵文字が語り始めるときの、あのわくわくした喜びを、あなたにもぜひ味わってもらいたい。
中国大陸を舞台に紅真吾が活躍する冒険譚-「黄土の奔流」「夢なきものの掟」「総統奪取」-の掉尾を飾る大ロマン。
本書はこれからワインを勉強したいと思っている人のためにワインの基礎知識として、ワインの分類、ワインの保存、開栓の仕方、テイスティング、世界各国のワイン法と格付けなどを紹介している。ワインの知識をさらに深く学びたいと思っている人には、従来どおりの国別のワイン紹介ではなく、ブドウ品種による分類、色による分類、香りによる分類で商品を紹介した。
インド八億の人々が信仰するヒンドゥー教、そのヒンドゥー教を支えてきた思想インド哲学、そのインド哲学史上最大の哲学者と称せられるシャンカラ、これら三者の関係はどのようなものなのか。これが本書が明らかにしようとする第一のポイントである。輪廻と解脱という枠組みの中で、二五〇〇年以上にわたって解脱を求めつづけてきたインドの諸思想、その中でインド最大の哲学者シャンカラが到達した地点とはどのようなものなのか。これが本書が明らかにしようとする第二のポイントである。神秘の国インド、神秘に満ちたインドの聖者たち、その中でもインド史上最大の聖者と称されるシャンカラ、そしてそのシャンカラの流れを汲む現代のシャンカラ師たち、彼らはなぜ聖者たりえたのか、またわれわれはなぜインドの神秘にひかれるのか、これが本書が明らかにしようとする第三のポイントである。
「抗菌」「殺菌」「減菌」「除菌」はどこが違う?「和牛」と「国産牛」の違いって?…いざ聞かれてみればハテ?となる、ビミョーな“違い”をすっきり定義。
ついにあの神様たちが語った「美味しいカレーの理由」。食べたいカレーが必ず見つかる充実ガイド・
町なかの小さな寿司屋のかみさんになって二十数年、いろんなお客様がみえた。永すぎた恋を実らせた常連さんのカップル、お忍びのロック歌手。トゥルーズから青い目の女の子が、地上げ屋が、なんと総理大臣もやってきた!!カウンターの内側からみた涙と笑いの人間模様、面白くてあたたかく、幸せを運ぶ一冊。
日中戦争最中の昭和十四年暮れ、上海裏社会のボス張に一泡吹かすべく、愛人優蝶誘拐に向かった日本人義賊白龍の前に、黒衣の男後藤が出現、妾宅から一冊の本を持ち去った。憲兵隊、軍閥、ユダヤ財閥までもが狙う書物『金記奇誦』とは?白龍はロシア美少女ソニアと共に、その秘密を追って魔都上海を駆ける。黒装の麗人、秘密結社も乗り出し、幾多の死を呼ぶ忌まわしき書には、紫禁城財宝の謎が隠されていた…。二転三転の争奪戦、その意外な結末は?大型新鋭が満を持して放つ会心傑作。
読みながら味わう銘醸ワイン、味わいながら読むフランス史。「修道僧が造ったワイン」「ポンパドゥール夫人とシャトー・ラフィット」「ナポレオンとシャンベルタン」など歴史上に現われるワインにまつわる逸話の数々を紹介する。
タナロットと鈴穂は拓人の通う御堂高校に転校するわ、神界・魔界からの刺客シンクラヴィアとミヤビは“学園”に留まるわで、短人を巡る日常は相も変わらず波乱の予感いっぱい?一方、風物詩と化した感のあるタナ郎&鈴穂の喧嘩に頭を悩ませた“学園”上層部は、校舎破壊、授業妨害の罰として、拓人たち三人に「迷宮倉庫」の掃除を命じるのだがー。竜は出るわ生首は転がるわ魔王はいるわでまたもや大混乱!ハイブリッド学園ラブコメ乱調の第三巻。