社会・生活の中のジェンダー問題を明らかにする。性とは何か。対人関係、教育、メディアに性はどのようにかかわるか。なぜ性によって差別や不公平が生じるのか。その解決のための理論・方法とは。ジェンダーをめぐる多様な課題に学際的に迫る。
日経サイエンスとサイエンティフィック・アメリカンの掲載記事からSDGs(持続可能な開発目標)のテーマに関連した内容をピックアップ!研究者やジャーナリストが書いた英語を日本語と読み比べながら私たちを取り巻く課題を理解し、考えるヒントをつかみます。
激動の1970年代、男らしさ・女らしさの在り方は大きく変わり始めていた。阿久悠、山本リンダ、ピンク・レディー、西城秀樹、松本隆、太田裕美、桑田佳祐…メディアの発信力が加速度的に巨大化するなか、老若男女が自然と口ずさむことのできた歌謡曲の数々。その時代の「思想」というべき楽曲たちが日本社会に映したものとは?衝撃の音楽&ジェンダー論。
ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ。パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!“翻案の効用”とは、『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし、「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか…etc.閉塞する現代社会を解きほぐす最新批評集!
わたしたちはなぜ「後ろめたい楽しみ」に惹かれてしまうのか。リアリティ番組はテレビの最大勢力のジャンルの一つとなっている。そこでは婚活から無人島でのサバイバル、片付けなどありとあらゆる日常の営みが題材となりつつある。人種、ジェンダー、階級、セクシュアリティなどの視点からリアリティ番組を精緻に読み解き、そこに隠された社会の力学を明らかにする気鋭による画期の書。
教科書から一歩先に進みたいあなたへ。データ分析の進歩が、経済学に留まらない多様な研究の可能性を拓く。
ジェンダー平等はもはや「女性の問題」ではない!と。キャリア形成、結婚・出産の壁、さまざまなハラスメントー女性研究者が抱える「生きづらさ」の背景をアンケート調査・資料などをもとに明らかにするとともに、男性研究者を交えた座談会を収録し、困難な状況を共に克服する方途を探る。
食と農の営みが土から遊離した戦後。転換点から見る農村空間の変貌ー。農村を根幹から変えた機械化・化学化。冷戦体制下の変貌を映す鏡としての農村社会の激動の歴史が、新たな戦後史を描き出す。
自分のからだは自分のもの。相手のからだは相手のもの。自分と他者の気持ちを尊重して、さまざまな感情や暴力行動に気づくための絵本。
「あなたのジェンダー・アイデンティティはなに?」この質問に答えられなくても、大丈夫。なぜなら、性別は揺れ動くものだから。思春期のあなたに必要なのは、考えて、試して、悩むこと。自分の性を知ることは、自分を知ること。性について考えることは、まわりの人を大切にすること。一緒にジェンダー・アイデンティティについて考えてみようよ。
若返り、ジェンダー、愛情…欲望を支配するホルモンの謎を追い求めた研究者たちの苦悩と栄光。
21世紀に入り、世界中の軍隊で、女性兵士は数を増し、その役割を拡大させつづけている。しかし、この現象を単純な男女平等の進展と解するべきではないこと、フェミニズムにとって女性兵士は難問として存在するのであり、さまざまな立場がありうることは言うまでもない。本書では、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化をふまえつつ、女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証していく。本書を貫く主張の一つは、戦争・軍隊を批判的に解剖するにあたって、「ジェンダーから問う」という視角が不可欠である、ということである。男らしさや女らしさといった観念の操作は、軍事化を推し進め、戦争を首尾よく遂行する際の要である。一方で、軍隊も戦争も、女性たちに依拠することを必ず必要としており、彼女たちの経験から現象を見つめることは、その男性中心性を明らかにするうえで欠かすことのできない作業である。本書は、「ジェンダーから問う」ことが、戦争・軍隊を批判的に考察するうえでいかに重要なのか、この視点を有することで見えてくる風景を描くことにより示していく。
関係者へのインタビューを軸に、不可視化されてきた現場の実態に迫る。テレビ局との序列構造、視聴率至上主義、「工場」と化す制作の現場、そのなかで「やりがい」を追求する制作者たち…浮かび上がる放送の現在と課題。
アイドルたちの多様な実践が普遍的な人気を集める一方で、「恋愛禁止」とその背景にある異性愛規範、「卒業」制度に表れるエイジズム、視線にさらされ続けるパーソナリティなど、アイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題も無視できない。アイドルの面白さと可能性、困難と問題性について、手放しの肯定でも粗雑な否定でもなく、「葛藤しながらアイドルを考える」ことの可能性をひらくための試論集。
「民主主義」という言葉は、ノルウェーでは日本以上に特別な意味をもつ。年配の男性議員ばかりの国会は、ノルウェーでは民主的とはいえない。多様な背景をもつ人々が集まる国会こそが、ノルウェー国民の全体を反映する「鏡」となる。
「ジェンダー平等」がSDGsの目標に掲げられる現在、大学では関連の授業に人気が集中し企業では研修が盛んに行われているテーマであるにもかかわらず、いまだ差別については「思いやりが大事」という心の問題として捉えられることが多い。なぜ差別は「思いやり」の問題に回収され、その先の議論に進めないのか?女性差別と性的少数者差別をめぐる現状に目を向け、その構造を理解し、制度について考察。「思いやり」から脱して社会を変えていくために、いま必要な一冊。
「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうになりたくないでしょう?」-映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。