塾講師・光一のアパートの部屋の前が泥だらけになった。周囲には不自然なタイヤ痕。彼は泥の中に金属片を見つけ驚愕する。“challio 0914”。10年ほども前、自転車で出かけたまま行方不明になった、男児の自転車のエンブレムだった。隠してきた秘密が、光一を苦しめ始めるー。亡霊自転車の怨念と、過去にとらわれ続ける人々の深い苦悩。第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の著者による「泣けるホラー」、待望の書き下ろし。
乱入してきたアメリカ娘にいつもの賭場は大混乱。賭けこそ命の多彩な悪党たちがどうシノイでいくか。堅気を誘い込むやらハワイへ遠征するやら、パチンコ、競輪に種目を広げてデスマッチ。麻雀放浪記の時代から世代交代しつつある、バクチ打ちの裏の世界を明るくすさまじく描いた、最後のギャンブル小説。