元高校教師が始めた雀荘「雀宴」は、かつての教え子たちや、初心者向けの麻雀教室の生徒で、賑わっていた。それぞれの人生の秘密を抱えた客たちや、アルバイトの大学生、そして、タウン誌の編集長ー。「雀宴」に集う面々をめぐる「日常の謎」を、鮮やかな推理が解明する。作家生活五十周年を経て、さらに円熟の深みを増した短編の名手が描く、連作推理の傑作。
明治36年、山口県に生まれた童謡詩人金子みすゞ。彼女の残した作品には、小さな動植物に対する深い愛情や悲しみ、そして子供の持つ独特の感性などが、みずみずしい言葉で綴られています。
日本各地にのこる、長いあいだ語りつがれてきた、むかし話の数々。ひとつひとつの話のなかに、人間の生きる知恵や、生きざまが息づいています。児童文学者・松谷みよ子が各地に採集し、美しい語り口で再話した『舌切りすずめ』をはじめ、『龍宮のよめさま』『かえるのよめさま』『たにし長者』『一寸法師』『天人のよめさま』『雪むすめ』『びっきのぼうさま』『座頭の木』などを収録。