聖夜を間近に控えた12月初旬。先輩にフラれた僕は駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに…。そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」彼女の持つノートは『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。だからー「私と、疑似的な恋人になってください」これは僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。第14回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。
お前をマクロマンサーにするわけにはいかない。サラマンダーを破った透は、新たな敵を求めてエルフの国へ向かおうとしていた。そんな折、美鈴から喋るスケルトンの報告を受けた人間達が透を討伐する為に襲撃を計画し始める。強力なモンスターに人間達の襲来、度重なる戦闘の果てに生き返ることを望むスケルトンはある想いを抱いて…。
昼間の居酒屋を利用して開かれるフリースクール『すずめの学校』。「居酒屋すずめ」で開校中のそこに通うのは、不登校の中学生や学び直したい老女、挫折したフィギュアスケーターや引きこもりのニートなど様々。居酒屋の経営安定のためと始めたオーナー兼教師の鈴村明也だったが、彼自身もまた、生徒と交わるうちに学び、気付き…。一歩踏み出す勇気をくれる物語。
千鳥ヶ淵一番町にある高家の屋敷に、おこんらと冬桜見物へと出かけた佐々木磐音。屋敷の主が城下がりしてきたところに二人の武士が現れて、千宗易ゆかりの茶碗の返却を嘆願する。一人が抜刀する騒ぎとなり、止めに入る磐音だが、後日、その武士が自裁したことを知る。一方、尚武館には、見目麗しい孫娘に手を引かれた盲目の老剣客がやってきて…。
「俺と恋人のふりをしないか?」美沙希の目の前に現れたのは、小学校の同級生だった瀬名だった。大企業の御曹司である瀬名に苦い思い出のせいで引け目のある美沙希は、彼の願いを断れず仮の恋人になることに!「美沙希がこんなにいやらしかったなんて」本当の恋人じゃないのに、頼もしく成長した瀬名に優しく愛されると惹かれずにいられなくて!?
まるは、とても元気なすずめの女の子。小さなすずめのくらしにも、出会いやわかれ、ピンチもあります。そんなとき、まるはいつだっていち、にの、さん、えい!ジャンプ!と、がんばります。これからはじまるのは、まるが、巣立ってからのおはなしです。さあ、あなたの近くでくらす鳥、すずめたちの1年をのぞいてみましょう。
「位子 雀部朝臣道奥 銭五百文」。701年、大宝律令を基軸にした律令国家が誕生した。この時から、人が人を「評価」する制度が出来上がった。この物語は藤原京から平城京の時代に、「従五位下」という貴族まで上った下級役人の悲哀に満ちた著者渾身の歴史小説である。