モズ、カラス、スズメ、フクロウ、ウ、オオタカ、ヤマシギ、オオミズナギドリ…さまざまな環境に適応して高度に進化した鳥たちは、苛酷な状況を生き抜くためにみごとな知恵を発揮する。感情表現豊かなその生態は、知れば知るほど、人の姿を連想させる。文化人類学ならぬ、「文化鳥類学」の視点から、鳥たちの社会を、いきいきと描くネイチャー・エッセイ。
妖怪都市大江戸のかわら版屋・雀は、秋になると大浪花に現れるという“雷馬”の話にひきつけられた。雷雲を体中にまとっている巨大な神獣だという。雀は大浪花へと取材のため旅立つ。シリーズ5冊目。
「おでん、すきやき」が「筍にそら豆」になる一月から五月までの百日間、「ちゅんちゅん、ぺちゃくちゃと自分勝手なおしゃべり」を毎日書き留めた手帖。冬枯れの光景に、悲惨な事件を起こしてしまった女性の心理を思いやり、陽気が温かくなると、しょっちゅうまぜずしを作って父・露伴を閉口させたかつての自分を懐かしむ。日常の何気なさの中に、“暮らし”の実感を伝える随想集。
スズメは、人家のまわりで生活し、もっともよく知られている鳥です。しかし、名前は知っていても、その生活については、わかっていないことがまだまだたくさんあります。
70年近くも昔の奇妙な三つの死。昨年の冬、完璧に封印された館で発見された、不条理きわまる六つの死。…過去に9人もの命を奪った“呪われた館”を今また6人の男女が、警察も見放した謎を解明すべく訪れた。推理行の果てに浮かびあがる戦慄の犯人像、そして新たなる惨劇。恐怖と幻想の本格ミステリー。
ベランダで、庭で、公園で…。鳥を見る楽しみを覚え始めた初心者バード・ウォッチャーに贈る、キューソクの笑いと涙の体験的お楽しみ野鳥観察エッセイ。
本書は、都市環境に適応した野鳥(都市鳥という)の最新情報にスポットをあて、興味ある生態や、様々な謎について述べたものである。
第二次大戦が勃発し、ドイツの爆撃機がロンドン上空を脅かしていた頃、独り暮らしの老夫人が生まれて間もない野生の小雀を拾った。足と翼を痛め自然界では生きられない雀だったが、夫人のピアノに合わせて歌うなど、殺伐した戦時下のロンドンっ子を楽しませ勇気づけもした。ヨーロッパはもちろんアメリカでも当時ベストセラーになった名著が、ここに完全復刊となった。
完全解明!!雀鬼流を学ぶ!!桜井章一実戦対局!!初の完全掲載!!20年間不敗の手筋と思考が今明かされる。
彼女の手は彼から離れ、その体は遠ざかっていった。まるで歩み去るかのように…フリーランスの探偵ルー・グリフィンの目前で、街を震撼させていた連続狙撃魔の銃弾が女性新聞記者を襲った。彼女と出会って、まだ数時間。だがルーの胸に何かが宿った。彼は単独で狙撃魔を追いはじめる!熱き時代と追跡劇を描き、CWA賞候補となった傑作ハードボイルド。
終戦直後の東京。一面の焼け野原。巷には化け物のような麻雀打ちがゴロゴロしていた。動乱の世の中を、自らの腕と運と魂だけを頼りに生き抜く男たち…。雀聖・阿佐田哲也が、戦後から昭和二十年代終わりにかけて実際に戦った忘れ得ぬ名勝負五十番を鮮やかに再現。『麻雀放浪記』などの代表作のモチーフとなったエピソード満載の名作が、ファンの熱望に答えて新装刊。
太陽と月とカラスに娘をとつがせたおじいさん。なんだかさびしくなってしまいました。「娘たちに会いに行こう」ロシアの巨匠が描く絵本。
ー教会では夜半の祈りが捧げられていた。その静寂は、若者芸人とそれを追いかけて雪崩れ込んできた群衆によって破られた。金細工人の家で結婚披露宴をしていたところ、余興をしていた芸人が主人を殺して、金銀を盗んだというのだ。芸人は教会という聖域にかくまわれることになった。カドフェルは男の無実を信じて、真犯人を探し始める。金銭欲、嫁姑争い…。生臭い人間たちの中から、真犯人が浮かび上がるのだった。