本書は日本鉄鋼協会社会鉄鋼工学部会「鉄の歴史ーその技術と文化」フォーラム所属「近世たたら製鉄法の歴史」研究グループの5年余りの活動成果をまとめたものである。近世たたら製鉄とは砂鉄を原料とする日本古来の製鉄法を源流とし、千年余の歴史を経て近世にほぼ最終的な姿を確立し、明治期に近代製鉄法が導入されるまで産業として存続した製鉄法のことである。本書はその歴史を前史と成立の経緯、近世以降における発展、明治期における改良の試みと評価の各章に分けて述べ、近世たたら製鉄法の成立、発展、衰退を通観した。
のりをなめてしまった子すずめのおちょんは、いじわるなおばあさんに、ぷちっと、したをちょんぎられて、おいだされてしまいます。やさしいおじいさんは、おちょんをたずねて山こえ川こえ…。やっと、すずめのおやどにつきました(『したきりすずめ』)。ねずみにたのまれたおつかいを、「ほいきた」とひきうけたしんせつなたきぎうりのおじいさんは、おれいにごちそうやたからものを、どっさりもらいます。それをきいたとなりのずるいおじいさんがねずみにあいにいきますが…(『ねずみのもちつき』)。小学1・2・3年以上。
ー教会では夜半の祈りが捧げられていた。その静寂は、若者芸人とそれを追いかけて雪崩れ込んできた群衆によって破られた。金細工人の家で結婚披露宴をしていたところ、余興をしていた芸人が主人を殺して、金銀を盗んだというのだ。芸人は教会という聖域にかくまわれることになった。カドフェルは男の無実を信じて、真犯人を探し始める。金銭欲、嫁姑争い…。生臭い人間たちの中から、真犯人が浮かび上がるのだった。
雀鬼・桜井章一が自らの日常を感じたままに書き綴る至極のエッセイ。そこには愛、友情、強さ、正義、政治、経済、人間関係、自然…と様々なテーマが織込まれている。勝負の世界で20年間勝ち続け、裏も表も知り尽くした男が語る物事の本質、生きるヒントとは。
スズメはいつも人間の近くにいて親しみのある鳥です。けれど、何を食べ、どこに巣を作り、どんな生活をしているのか、ほんとうの姿は意外と知られていません。みんなの知らないスズメの生態から人間とのかかわりまでを広くさぐった一冊。小学中級以上。
増補・改訂版では、初版の日本国内で記録された鳥類280種に、その後新たに記録された種や新たに写真を収録できた12種を加え、292種を収録した。これに外来種として20種、姉妹編である『水辺の鳥』は272種、外来種6種を収録しており、2冊を合わせた種数は564種、外来種も加えると590種となる。
実録雀荘経営ドタバタエッセイ。
身近な自然のささやきを伝える武蔵野の自然通信「みどりの風」1990年5月〜2003年5月を掲載。
あるひ、ばあさまはきものにつけるのりをにて、そとにだしてさましておいた。そこへちょんがやってきて、のりをぴちゃぴちゃなめてしまった。「だいじなのりをよっくもなめたな」ばあさまはかんかんにおこって、ちょんのしたをはさみでちょんぎって、そらにほうりなげた。
吉原の仮宅営業も盛況な浅草山之宿町。元芸者・鞠之助宅の居候で、売れない戯作者・感和亭鬼武の元に、今朝も仮宅の厄介事が持ち込まれる。山谷堀から出張ってきた茶屋の女将・お糸が、男と交合す場所を求めて浅知恵を働かせたばかりに、思わぬ窮地に立たされているというのだ。自業自得ともいえる顛末に、心中複雑な鬼武。というのも、お糸は鬼武がかつて馴染んだ女郎・桜木だったわけで…。