子供時代から“おもろい子”と注目されていた雀々も、枝雀に入門して20年。師匠、枝雀譲りの口調での勘違い噺「手水迴し」では枕に横山ノック大阪府知事を真似てエピソードを聞かせる。「舟弁慶」の主人公の女房“お松”の傍若無人な快速お喋りは見事。
桂枝雀の弟子、三代目雀三郎の独演会を収録。裸に墨を塗って服を着たように見せたりする「貧乏花見」は東京では「長屋の花見」となる噺。「夢の革財布」は「芝浜」を上方化したもの。ところで、彼が洒落で吹き込んだCD『ヨーデル食べ放題』が話題です。
師匠・枝雀ゆずりの軽妙なしゃべりで、タレントとしても活躍中の雀々が、得意ネタのひとつ「仔猫」を披露。師匠同様、身振り・手振りの大きな彼の噺ぶりが目に浮かんでくるようである。
山下和仁の新録音は91年以来久しぶり。オリジナルあり、編曲ものあり、バラエティに富む選曲。1曲1曲が独創的で、ギターの扱いもそれぞれ異なる。山下は手際よく見事に弾き分けていて、この楽器の奥の深さを見せてくれる。