地球上に生命が誕生して以来、何回もの異変が地球をおそい、何百万もの種が大絶滅によって地質学的にはごく短い時間に一掃された。本書では著名な古生物学者のスティーブン M.スタンレーがそのような全地球的な大絶滅について詳しく解説し、岩石と化石からできた大きな“宝庫”がわれわれに教えてくれる大絶滅の原因、経過そしてそれが意味することを明らかにしている。
アナール派以後、もっともめざましい活躍をしているフランスの歴史家シャルチエによる「書物の文化史」の主著。本書を構成する8篇の論文が追究しているのは、16世紀から18世紀にかけてのフランス社会における「書かれたもの」の規範と文化的慣習行動の大いなる変容にほかならない。
清朝末期の北京。中国語を巧みに操る謎の青年ルネ・レイスの言動を頼りに、フランス人の“ぼく”は中国の内部=紫禁城に迫ろうとするがー。“エグゾティスム”の先駆的探求者セガレンの、“他者”への清新な好奇心みなぎる日記形式の疑似探偵小説。
あらゆる診療場面について、ヒヤリとしないための事前チェック事項、診療の基本手順・考え方、おさえておきたい診療のポイント、事故防止・安全な医療のための注意点、患者さんとの円滑なコミュニケーションとインフォームド・コンセントのための説明の要点を解説しました。
啓蒙期の科学は解剖学的な差異と精神性を関連させ、男女は身体的のみならず能力や性格においても本質的に異なるというジェンダー観を成立させた。このジェンダー観は、近代社会の形成にあたって規定的な力として作用し、人びとの居場所や役割、行動規範を定めるとともに、政治・経済・社会のさまざまな制度のなかに組み込まれていく。本書では、知の専門化、参政権運動、協会活動、母性福祉、社会保険、戦争という歴史事例をとりあげ、ジェンダーの構築と変容の過程、構造をつくりだす力としてのジェンダーの作用、そしてヨーロッパの女たち、男たちが近代のジェンダー化された社会をどう生きたのかを描きだす。ヨーロッパ諸国における女性史とジェンダー史をめぐる動向も合わせて考察。
ゲッベルスの日記を克明に検証しつつ、その天才的なメディア戦略を浮き彫りにする画期的な労作。映画製作や検閲の実態、権力闘争で揺れるその人間像等に多角的に迫る。