セクシュアリティとジェンダーのあり方を鍵として、東アジアと南アジアを中心とする父系的社会と、東南アジアから日本・韓国までの双系的社会という2つの社会を区別し、それに文明化と近代化が重なって生み出された、アジアの重層的多様性を描き出す。
本書は、豊富な事例とエクササイズによって、ローパー・ローガン・ティアニーによる「生活行動看護モデル」をもとにした看護が理解できるよう工夫されています。
ドイツ・ヴィルヘルム時代の市民社会における、ジェンダー秩序の生成、性の規範化プロセスとそれによる女性の管理、新しい性道徳の意義、を明らかにすることで、性と政治社会の関係性を考察し、現代におけるセクシュアリティをめぐる問題の理解・解決への手がかりとしたい。
アジアから問い直すー奴隷国家から移民国家へ。しかし、そこには「中国人問題」が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、帝国的拡大と人種や性や労働の問題が交錯する“アメリカ人”の境界画定の動きを鋭く読み解き、アメリカ史像の核心をうつ。
サモアの儀礼交換のフィールドワークをとおして、社会理論の最先端を切り拓く。「社会が経済になってしまった」われわれの文明、「経済が社会である」サモアの社会。反対の社会の経済、権力、性などから見えるわれわれが当たり前に生きているものの不思議。
ヨーロッパ近代秩序としての公私二元構成ーその生成過程には、ジェンダー・バイアスの生成が伴った。姦淫罪(法と道徳の分離)、嬰児殺(人道主義)、読書協会(市民的公共圏の成立)の3側面から立証。
転換期の日本社会において家族はどこに向かうのか法はどうあるべきなのか。「家族のリアル」を分析し、課題を明らかにした上で、法制度のあり方を提起。「家族」をめぐる既存の規範や法制度が孕む問題を、ジェンダー/セクシュアリティ/子どもの視点から、究極的には人権の視点から再検討する。社会学・法学・政治学など学問分野を横断して「家族」のあり方を掘り下げて論じるとともに、実務家とも協働して具体的提言を行う。
性をめぐる言説が紡ぎだす近代日本。社会史、歴史社会学、近代社会論、言説分析や資史料分析の方法論に至るまで、広く社会学的な関心を持つ読者に。膨大な資料を渉猟し、理論的検討を尽くした渾身の書。
フェミニズム・精神分析学・性役割理論・社会生物学など多岐にわたるジェンダー論の総括であると同時に、男女の不平等解消へむけて連帯の構築可能性をさぐる意欲的試み。
世の中、性の健康のための基礎知識が欠けている。お医者さんだって性の話は苦手だ。キンゼイ研究所のデータを駆使して、性の悩みに科学的に答えた最新の啓蒙書。
「人種」が生物学的実体をもたず、社会的構築物にすぎないことが了解されて久しい。にもかかわらず、人種がいまだに強固な社会的リアリティをもつのはなぜだろうか。本書は、スポーツから、ヒトゲノム、絵画、社会運動にいたるまで、さまざまな領域にみられる表象に着目し、人種のリアリティを生み出すその主体的役割に光を当てる。分野横断的かつ地域横断的研究が生み出した、人種研究に新たな一頁を加える刺激的な一冊。
サイボーグや人工知能のように電子テクノロジーが日常化する現在、それらに支えられたサイバー・カルチャーのなかで私たちの身体はどのような意味をもつのか、それに対応する倫理をどう立ち上げるべきかを哲学・現代思想やメディア論から思索する。
セクシュアリティ研究の名著、ついに翻訳刊行。グローバル化とデジタル革命によって加速するセクシュアリティと親密世界。21世紀における倫理を、LGBTの日常から生じる「生の実験」に基づいて立ち上げていく過程を克明に描く傑作。