女性たちは自分のからだがどうすれば心地よく感じるのか、どうすれば自由に、確実にオーガズムを得られるのかを知っている。にもかかわらず、多くの女性が男性とのセックスでは、その快感を自分のものとして享受できないでいるのは、なぜだろうか-。本書では、大切な男と女の関係を見直し、真に理解を深めるために、女性のセクシュアリティについての新しい考え方をさぐる。
勃興するブルジョワ階級の娘の死に至る抑圧の生を描き、おそらく世界でもっとも長い18世紀英国小説『クラリッサ・ハーロウ』。マルクシズム=フェミニズム批評が、性差、階級闘争などのアポリア設定により、この文学史に埋もれた「古典」を衝撃的に現代に甦らせる。
性科学、精神分析、小説にセクシュアリティが表象として構築されたプロセスを探り、性的啓蒙を経た現代を問う。
ひとつのことばが「女の問題」を超え、女と男のかかわりを、文化の作用を表してゆく。アメリカ人ジャーナリストが性差別を表す日本語に見た、日本語の中の女と、内なる日本文化。美人、ブス、姦しい、女子大生、お嬢様、奥さん、水子、お袋、男女雇用機会均等法、女流、OL、処女、未亡人、ナイスミディなど80頃目を収録。
女と男の新しい関係とは何か?変わりゆく性と変わらぬ人間の生の関係を総合的に考察。売買春、心中事件などから老年期の性の問題などに至るまで、多様な性の現実を様々な角度から捉えなおす新しい家族論。
近世の公娼制度、戦時下の従軍慰安婦、現代アジア諸国への性侵略を生み出してきたものはなにか。家庭内離婚、セクシュアル・ハラスメント、若者の恋愛恐怖症から母子相姦、連続幼女殺人まで、愛と性を欠落させた日本の性風土の歴史的構造を究明する。
神話、宗教、芸術、国家、革命。あらゆる幻想にひそむ恐怖と性の関係をえぐり出し、大学闘争、ベトナム戦争、中東戦争など60年代から現在にいたる時代を戦いぬいた女の歴史を軸に、タナトスの政治からエロースの政治への道を提唱する。性と暴力の根源的関係を掘り下げるセクシュアリティの文明論。
進展いちじるしい脳科学とコンピュータ科学。そのめざすところを情報と生命という視点からさぐり、われわれが自明の前提にしてきた思考の枠組を解体・組換える。
フェミニズム・精神分析学・性役割理論・社会生物学など多岐にわたるジェンダー論の総括であると同時に、男女の不平等解消へむけて連帯の構築可能性をさぐる意欲的試み。