緑がしたたる。抒情がしみる。タイからマレーシア、インドネシア、シンガポールへ。-楽しくせつない、たったひとりの貧乏旅行記。
ジャズにおける最初のグループとして認められているニューオーリンズのバンドで活躍した伝説のトランペッター、バディ・ボールデン。その出現から1990年代後半に至るまでの100年に渡るジャズを網羅。「ジャズ100年史」は、20世紀ポピュラー・ミュージックにおける多大な影響の数々の、初めての記録書であり、350枚以上の豊富なイラストと貴重な写真と資料の数々で綴った内容は、ジャズの歴史、ジャズに関わる人々、そしてジャズという様式に対する賛歌である。
モーセに始まる古代イスラエルの預言者たちは、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の源泉となった人々である。預言者の宗教の最大の特色は、超越者の啓示を直接受領して活動するところにある。ここに彼らの宗教体験の普遍性の根拠がある。さらに彼らの宗教の特色は、直接的啓示によって、あらゆる権力や伝統から自由になるところにある。しかし、その結果逆に自らの権威を絶対化し、再び強固な伝統を形成する危険も持っている。東洋の宗教である仏教も、その教えの根源性のゆえに、預言者的宗教の一つに数えることができる。西方の普遍的諸宗教の源となった古代イスラエルの預言者たちを学ぶことは、もう一つの普遍的宗教である仏教との対比を通して、現代世界の切迫した課題である諸宗教間の真剣な対話に新しい可能性を切り開くであろう。
天の川に無数に散らばる暗黒星雲のうねりを追い求めていく楽しさは格別。その暗黒星雲の微細構造がより見やすくなるよう、モノクロフィルムで同一星域を捉えた作例を併載。各星域の撮影地として乗鞍岳、しらびそ高原、そしてニュージーランドなど、極上の暗い空の得られる場所を厳選。F1.5の“目”が活きるよう、妥協を許さぬ姿勢で撮影に臨んだ。各星域の解説とともに主な星雲星団の名前やカタログ番号を記入した案内星図を掲載。望遠鏡や双眼鏡によるスターウォッチングの対象確認、直焦点撮影時の構図決定用資料にも最適である。
ヴェーダとは、古代インドの僧侶階級バラモンが生み出した宗教聖典の総称である。紀元前一二世紀ごろに成立した膨大なリグ・ヴェーダは、インドヨーロッパ語族最古の詩文で編まれた神々への讃歌集であり、その神々は意外なかたちで日本人にも馴染みとなっている。本書はこのリグ・ヴェーダから、呪法を取り扱うアタルヴァ・ヴェーダ、祭式文献ヤジュル・ヴェーダ、サーマ・ヴェーダさらに梵書、森林書を経て、インド最初の哲学書ウパニシャッド文献に至る古代インドの思想の流れをたどる。その後インドに展開した諸思想は、このヴェーダからウパニシャッドに至る思想をどのように評価するか、という観点から大きく二つに分かれた。それを聖典と認めるのがバラモン正統派思想であり、その聖典性を否定する立場で成立したのが仏教やジャイナ教であった。インドに生まれた思想を理解するためには、ヴェーダを淵源とする思想の流れを知る必要がある。
世界で最初にキンダーガルテン(子どもの庭=幼稚園)を創設したフレーベル。乳幼児と母親・保育者が共に遊び、育む遊具を考案し、自立的で自由な人間教育という教育の原則を探求し、それを思想的にも理論的にも解明し実践したフレーベル。これら独創的な取り組みは19世紀の母国ドイツだけでなく、全世界の幼児教育に大きな影響を与えてきた。なぜ、フレーベルはキンダーガルテン(幼稚園)を創設しようとしたのか。なぜ、文字によらない遊具による人間教育を考えたのか。フレーベルの人生行路を詳細にたどりながら、その人間と思想から、これらの点を明らかにし、あわせて今日の教育問題の根源でもある家庭における母親=子どもの教育的関係、そして幼稚園の原点を探る。
本書は大きく二つのパートに分かれている。前半は、ラムー船長による科学や宇宙に関する話、後半は、人類への警告と近い将来に起こる大変動および、それらに対応するノストラダムス、エドカー・ケイシー、聖書の予言等をまじえた解説と著者の予見である。両方ともに、今まで誰もが想像だにし得なかった、この我々が暮らしている宇宙の実像を明らかにしてくれる。
『古事記伝』に収められた「直毘霊」の全容を解明。書簡・版本影印付き。いまここに宣長が蘇る。
福田定一はどのようにして司馬遼太郎になったのかー。司馬の原点ともいえる戦争体験を定一としての“それ”と、歴史的現実とを詳細に対照し、語らなかった事実を検証することをとおして、やがて国民作家となる司馬の作家性の出自を明らかにする。
本書は、最新の研究動向をふまえながら、それらの基本的な視角や方法を解説し、また、さまざまなテーマやトピックについて代表的なフィールド研究や執筆者自身の具体的研究の成果を紹介する。
地域学が町を変える。引き継ぐモノは箱モノじゃない。
日本造艦技術の最高・最大の産物にして戦艦発達史の頂上に君臨する「大和」-その比ぶべくもなき堅固な船体構造から周到なる射撃システム、光学機器、防御甲鈑、電探兵装に至るまで、完成までの道程を開発・建造に携わった造船官らが詳述する話題の技術戦史。超戦艦誕生の知られざる現場を各担当者が語りつぐ。
55年を経て初公開、絶讃された「戦中派焼け跡日記」に続く、作家“山田風太郎”誕生の日記ー。医学生として学ぶかたわら、作家への道を模索する日々と混乱する戦後日本を感性豊かに綴る。
学校の教室、校庭、蝉取りをした山や、魚とりをした川、みんなで泳いだ海など、そこに広がるあなたの、そしてぼくの夏休みを思い出させる素朴な風景。人気ゲーム「ぼくのなつやすみ」の原画集。