作家を志す六人の男女が集う「星の海チャットルーム」。星の名前をハンドルネームに同人誌を作る彼らに面識はなく、プライベートは秘すことを約束事にしていた。しかし、そのことが、すべての事件の伏線となり、真の悲劇を招き寄せる。トリックの魔術師が紡ぐ4つの断章は環となって繋がり、衝撃の最終章へ。
リーマちゃんからダヤンに手紙が届いた。アルスの言葉が読めないダヤンは、その手紙をジタンに読んでもらおうと探しにいくが、ジタンは「北」の方へ出かけたままもどってこない。ダヤンは、ジタンを探して旅に出ることになった。…タシルの街を侵そうとする魔王の悪だくみ、それを阻止しようとするダヤンやジタンたちの活躍。それにアルスの針樅林の危機とが奇妙に絡んで、物語はクライマックスへ。ダヤンの長編ファンタジー第2弾。
「灰色の木を金色に戻す薬を下さい」-人知外れた妖の、悪業に見舞われし迷い子が、救いを求めて囁く呪文。1994年、秋がまだ火冬と名乗っていた頃、座木は高校に入学し言波という少年と出会い、火冬は一人の女子高生から呪文を告げられる。二人の裏に潜むのは、呵責の想いと空転する涙。桜花乱れ散る第8弾。
ひぐらし鳴き乱れる北鎌倉の屋敷にひっそり暮らす若き女主人。彼女に魅了された男は請われるがまま、悪に手をそめることになる。魔性の女に翻弄される男を待ち受ける思いがけない結末。表題作「ひぐらし荘の女主人」。ほかに、禁断の恋を描く「花ざかりの家」、飼育願望の極致「彼なりの美学」。匂い立つ美と官能の饗宴、鮮やかなラストの反転。極上を味わう自選短篇集。
1967年イースターの休日、マレーシア山中の保養地から消えたシルク王、ジェフリー・トーマス。彼の行方は今なお杳として知れない。それから三十余年後、軽井沢の別荘でひとりの老人が死んだ。奇妙な偶然と縁に導かれて南の国へと旅立った京介、蒼、深春の三人がついに見いだしたトーマス失踪の真相とは…。
初の国産「超短編」アンソロジー。数文字から数百文字のミクロの物語、超短編とは、小説、詩、エッセイ、寓話…ジャンルの境界を漂いながら「短さ」によって生命を与えられた作品群の呼び名だ。古典と現代をつなぐ時の線上に超短編をとらえ、ホメロス、キャロル、カフカ、宇野千代、稲垣足穂、村上春樹、安部公房、川上弘美、筒井康隆などの作品95編を集めた。超短編入門のための解説も収録。
本書は、ステップごとに豊富な写真を添え、このダイナミックなフォームを支える、バランスのとれた動きと呼吸法を解説している。初心者向けの簡単なポーズに始まり、ひとつマスターすれば、それを土台にして次の段階へ進めるよう、ていねいに構成されている。
八百編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説作りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
誰もが一度はカッターナイフで消しゴムを彫り、消しゴムスタンプ遊びをしたことがあるのではないだろうか。本書では、消しゴムで小さなパーツを作り、きれいな発色のスタンプパッドで着色し、描くように印を組み合わせて押すことで、四季の彩りや移ろいを表現する。手軽な素材「消しゴム」を使いながらも、従来の消しゴム遊びとは全く違う作品に仕上がるのだ。使用したスタンプパッドの色や印の押し方など詳しく解説し、作品の図案とトレーシングペーパーを巻末に収録しているので、すぐに始めることができる。
世界で一番難民の多い国に開設した診療所での奮闘の日々-。
有名オペラ50タイトルのこれだけは知っておきたい見どころ&聴きどころ。華麗なイラストが描く人物相関図とグラフで見るストーリー展開。まったく新しいかたちのオペラ・ガイド登場。登場人物の心の動きをよく表しているアリア、重奏などを紹介するほか、物語が進むにつれて登場人物の心がどう動くか、ハッピー/アンハッピー度をグラフで表した。
何度つかまっても牢をぬけだす怪人二十面相。今度は名前を「四十面相」とあらため、どうどうと脱獄を宣言した。秘密をさぐるため拘置所にやってきた明智小五郎は、二十面相との面会のあと、なぜか世界劇場の楽屋へ…。劇場では「透明怪人」事件のしばいが、まさに上演されている最中だった。
国際バラとガーデニングショウで、世界を驚かせた石井強のウィーピングスタンダード。華麗な花の滝をつくれる世界でたった一人の名人が、その技術を初めて公開。50年のバラづくりから会得した栽培のコツを併せて紹介。さし木からつぎ木、誘引まで、目からうろこの技を満載。
健気でチャーミング、でもちょっと傷つきやすいチューリングは女の子型人工知能。ネットワーク上のあらゆるデータにアクセス可能な彼女は、顧客の検索を手助けするリサーチャーとして大人気だ。だがある日、彼女を作ったプログラマーのザックが突然失踪する。彼に密かな恋心を抱くチューリングは名作ミステリを読み読み探偵術を覚え、彼の行方を追いはじめるが…人気作家の新シリーズ第1弾。アガサ賞最優秀長篇賞作品。
綾鹿警察署・五龍神田刑事が、次々と起こる事件の謎に挑む!事件解決のヒントは、正体不明のホームレス十徳治郎が握る。あまりにも意外で皮肉な12人の真犯人とは!?そして、最後に残る物語最大の謎とは!?ライト感覚の本格ミステリー。
1972年9月、ミュンヘン・オリンピックの選手村をパレスチナ・ゲリラ“黒い九月”が襲い、イスラエル選手団の11人を惨殺した。イスラエル政府は報復を決意、情報機関モサドが暗殺チームを組織し、“黒い九月”の幹部を次々と抹殺し始める。スパイ小説の巨匠が、衝撃のテロ事件とその後の復讐を克明に再現し、アラブとイスラエルの対立の原因と歴史を明らかにする。