まともに取りあう気はなかった。人殺しがしたいので手伝ってくれ、などという依頼は聞いたことがない。中年の会社重役がいきなり事務所にあらわれ、麻薬密売をめぐるトラブルに巻き込まれ命を狙われている、と訴えるのだが、わたしはことわった。探偵とは名ばかりで、わたしは事故専門の調査員なのだ。この男が殺されたのを知ったのは翌朝だった。人間には、できることとできないことがある。わたしにはできないことかもしれないが、探偵のまねごとをやってみる気になりだした…。なにごとにも控えめな探偵の危ない活躍を描く新シリーズ第1弾。
1949年、サンフランシスコ。過去の影に引かれるように4人の中国人女性が集まり、マージャン卓をかこみ、点心を食べ、中国での昔話をする会をひらき、その会を“ジョイ・ラック・クラブ”と名づけた。それからほぼ40年が経って、メンバーの1人が亡くなった。その娘があとを引き継ぎ、母親の長年の希いと悲劇的な秘密を初めて知らされる。それをきっかけに、“ジョイ・ラック・クラブ”の女たちは各々の過去をたどり、記憶にとどめ、物語りたい衝動にかられていくー。
仮病をつかってまで食べたかった祖母の〈スープ茶漬け〉、力をつけたい時に作る〈大蒜うどん〉。回春薬のようなブレッソン監督の映画、歌舞伎、晩年より研究しはじめた気学、そしてフランスの田舎旅行…粋人がささやかなル・パスタン(楽しみ)を絵と文だ描き織りなす珠玉の池波ワールド。全104篇オールカラー収録。
伝説の女優が三島由紀夫の一幕劇『卒塔婆小町』で復活。「隠れ処」という名のホテルに設えられた舞台で、彼女は落魄の老婆から鹿鳴館の美女に変身した。が、対立していた演出家が失踪、パトロンの館は業火に包まれ、女優にも呪詛と脅迫の電話が。凄絶な美がもたらす罪業に迫る京介。新たなるサーガ、ここに開幕。
女を泣かせたい。すがるようにして泣く女を見てみたい。男は、心の奥に歪んだ欲望を秘めていた。恋人の裏切りを契機に、男は女を泣かせ、懲らしめるための周到な計画をたてる。表題作「泣かない女」の他、日本推理作家協会賞受賞作の「妻の女友達」を含む全4篇。普通の人々の日常とその心の隙間に忍び寄る狂気を描いて、ミステリーの醍醐味あふれる傑作短篇集。
田舎で平和に暮らしていたミミのもとに、突然お城の騎士がやってきて、弟のフィディルを連れて行ってしまった!なんとフィディルは、現国王の隠し子だったのだ。しかも、失踪中の第一王子の代わりに、隣国の姫と結婚させられるという。フィディルを取り戻すために、ミミは女官としてお城にもぐりこんだ。ところが、下働きのエリックと一緒に、国を揺るがす陰謀に巻き込まれて。
戦前に上海の租界でイギリス人のためにつくられた、時代を経たもの特有の品格を漂わせる安楽椅子。骨董屋の店先から小学生・及川衛の家にやって来たその椅子が、あろうことか口をきいた!?しかもこの椅子、口を開いた途端シャーロック・ホームズばりの推理を披露し始めて-。紳士的な(?)安楽椅子と衛の交流、そして彼らが出合うさまざまな謎。謎解きの面白さと柔らかなユーモアが楽しめる、これぞ正真正銘の「安楽椅子探偵の事件簿」。
他人に干渉するのも他人から干渉されるのも苦手な歯科医の宏一は、マンションの隣の部屋に一人で住むお気楽高校生の透に、最近何やかやと振り回されている。しかし、能天気に見える透の悩みに触れ、世話を焼いたりしているうちに、宏一は心の奥底に沈めていたある記憶を揺り動かされ…。不可思議な感情の芽生えを描く表題作を含む三篇に、書き下ろし「チョコレート日和」を加えた月村奎の人気作、待望の文庫化。
伝説の名女優・神名備芙蓉が二十八年ぶりに復活。伊豆の会員制高級ホテルで三島由紀夫の『卒塔婆小町』を演じ、老婆から美女へ見事に変身してみせる。だがその後、演出家の失踪、ホテルオーナー天沼龍麿の館の放火、芙蓉への脅迫と怪事件が相次ぎ、さらなる惨劇が!?京介の推理が四十年に亘る愛憎を解く。
もう蒐めるだけでは物足りない。探偵小説トレカ、美脚アンソロジー、黒死館Tシャツ、作って、造って、創って、做る!本棚時代来る。
上の子の赤ちゃんがえり、きょうだいげんか対策や家事の進め方など2人目育児にまつわる「困った」にすべてお答え。
毛穴の開き、たるみ毛穴、大人のニキビ…すべて解決。岡村式「毛穴ケア」マニュアル誕生!女性誌、TVで超話題のN.Y.流スキンケアの極意を大公開。
ぼく花山仁は迷宮入り事件を捜査する特捜班に配属された。憧れの刑事になれたと喜んだのも束の間、他のメンバーを知って愕然とする。囮捜査で左遷された前泊ナナ、定年間近の久保主任…。要は警視庁のお荷物軍団なのだ。極めつけは波田煌子とかいう犯罪心理分析官。野暮な容姿と惚けた言動。プロファイルはおろか心理学についての知識さえ覚束ない。「エレベーターガール生首ゴロリ事件」「プロ野球スモール人形殺人事件」など、立ちはだかる七つの難事件をぼくらは解決できるのか。
とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。
仕事ができる人で、仕事が遅い人っていないと思いませんか?「瞬発力」と「集中力」でスピードを上げていこう。最小の労力で最大の効果を生み出す!効率重視で“生産性”の高い仕事をする方法、徹底伝授。