今回の改定に伴い症例数を大幅に増やすなど歯科保険診療の解説書として、より一層内容の充実を図りました。傷病名別フローチャート-今回の改正事項の要点のほかに、本書では傷病名別のフローチャートを掲載することにより、保険診療の流れを視覚化いたしました。カルテ、フローチャート、レセプト欄-従来の類書にはないフローチャートにより、個々の症例ごとに保険診療の流れが一目で分かるように工夫いたしました。保険解説-レセプトの記載順に従って「初診」から「摘要欄」までの各項目につき、関連事項にまで言及して詳細に解説いたしました。
本書は若い臨床家にも経験のある臨床家にもわかりやすいように来院時の写真から問題点を整理し、治療法をアトラス的に並べ具体的に解説したものである。
無歯顎者の口腔に装着されている全部床義歯の多くが著しく不適切な床外形をしており、特に下顎義歯にこの傾向が著しい。正しい印象採得の技術は今世紀初頭から明らかにされているが、多くの全部床義歯補綴に関する成書にはきめ細かなフォローに至るまで明示されていない。本書は、解剖学およびそれに基づく印象技術はもちろん、従来の成書には見られなかった患者の心理状態や取り扱い方にまで及び、総義歯は患者と一体になって作り上げるものだという観点に立って書かれた印象採得のためのユニークな書である。
金属焼付ポーセレン・クラウンあるいはブリッジで、個々の患者の口腔と調和する特徴を表現することは、ポーセレン技工の理論的システム化への努力とは矛盾しない。Ernst A.Hegenbarthの創造的審美表現法は、この個性表現と、歯科医師にも歯科技工士にも日常的に実践の可能な理論的システムを両立させた。