歯科医師の多くは、自分が何を知らないかをわかっていない。だから、自分の可能性に気づくこともなく、「ありきたりで、ふつう」の歯科医師として診療を続けている。予測性の高い歯科治療を成功させることで得られる満足感や報酬に手が届かない歯科医院が、なぜこれほどまでに多いのか?本書は、公平・中立な態度に欠けるほど「歯に衣着せぬ」表現で、その理由を明らかにしている。またすべての章が、「完璧な」検診や包括的な治療計画立案、患者とのコミュニケーション、特別な患者ケアのための診療管理など、客観的基準による数千例の長期観察所見に基づいて執筆された、臨床歯科医向けの真のマニュアルとなっている。
デジタル化と自動化により、矯正歯科診療のあり方は変化してきている。現在のテクノロジーでは口腔内スキャン、CBCT画像、CADソフトウェアから仮想患者を作成し、歯列模型をバーチャルで操作することができる。これにより、より適切で正確な治療計画の立案が可能になるだけでなく、患者とのコミュニケーションも円滑になる。しかし、われわれをもっとも興奮させるのは、矯正装置の大部分をインオフィスで設計しプリントできるということだろう。本書は、ボリュームスキャンやサーフェススキャン、3Dプリント、CADソフトウェア、人工知能(AI)など、矯正歯科で使用されている現在のデジタルテクノロジーについて解説した後、矯正歯科治療におけるこれらのテクノロジーの応用を提示し「歯科医師が自分で設計すること(design it yourself)」について深く掘り下げている。さらに、自院完結型のデジタル矯正歯科医院に必要なテクノロジーがすべて記載され、仮想患者をデジタルで診断・評価し、個別の治療計画を立て、カスタムメイドの矯正装置をインオフィスで設計・製作することに焦点が当てられている。
ヨコタ・デンチャー・システムは無歯顎の総義歯患者に生きる希望と喜び、気力、幸せを呼び覚ますドラマチックな、不思議な歯科補綴物です。本書ではそれを、主に図やイラスト、そして症例によって伝えたい、と考え、編集しました。
本書は2章立ての構成となっています。第1章「分類の歴史」では、そもそも分類とは何かというテーマから考えはじめ、矯正臨床における分類の意義を再考しました。続いて不正咬合分類の歴史をひもとき、過去の事実の把握につとめました。1926年のWeinbergerの文献を足がかりに、可及的に広範囲に文献を探った結果を時系列にしたがって掲載してあります。そして最後に、調べられた限りにおいて全ての関連する学術用語を意味別に整理しています。第2章では、前章での歴史や用語の現状をふまえて著者らの考えを提示しています。矯正臨床上利便性が高く、あくまで簡便な分類でありたいとの基本構想にたち、咬合を中心とし、さらに顎、および歯列の状態を加えた分類を提案しています。
臨床家が前歯部製作における歯牙形態、ポジション等の決定にある程度自由がきく場合の参考となる写真集。