本書では、口腔ケアを「治療」「予防」「専門領域」の3つの観点からとらえ、日常臨床のクリニカルポイントとしてまとめた。第一部では、診療室の中での「体系的なう蝕予防のあり方」を、第二部では、「長期的予後を考慮したインスツルメンテーションの考え方」を、第三部では、より深く専門性を追求するという観点から補綴、矯正、顎関節症、インプラント治療、有病者といういくつかの専門領域からのポイントを解説していただいた。
本書は、総義歯補綴臨床の新知見というよりも、古典的ではあるが基本的な内容を網羅し、また、臨床経験の少ない読者が臨床現場を疑似体験できるように、コミックによる臨床ドラマを展開していくように構成してみた。とくに総義歯補綴臨床の成否の判断は、患者さんの主観によるところが多い歯科治療であるため、患者さんの心理的な側面もコミックによって表現するように心がけてみた。
「’97QDTシンポジウム」の国内演者29名、総タイトル数28題を6つのテーマごとに分類したもの。
KGBは生きている。KGBの現職や元工作員とのインタビュー、および新発見の衝撃的な証拠資料をもとに、KGBが国外で犯した罪悪のみならず、ソ連共産党の不可分のパートナーとして自国民に加えた未曾有の弾圧の数々を白日の下にさらし…ソ連崩壊とともにKGBは解散し、現在では「ロシア連邦保安局」を名のる機関がとって代わった。だがあの怪物の命が絶たれたわけではない。
著者はオーバーデンチャーによる治療法の利点を拡大する最先端にいる。彼の教育方法、著作は常に手本となってきているが、その中でもオッセオインテグレイションが伝統的な可撤性の義歯に与えるインパクトを最初に認識したことが評価される。本書はその成果であり、我々読者は著者の拡大する知識の宝庫から大いに利を授かることになる。本書は明解で情報に満ちており、理にかなった議論を含み、オッセオインテグレイション法の出現を踏まえたオーバーデンチャーの概念の基礎をみごとに解説している。
今、予知性の高い治療法として広く受け入れられているインプラント治療。その結果に永続性を期待するためには、口腔内の情報を正しくとらえ、的確な診断を行うことが最も重要である。本書は、インプラント治療の技術的なノウハウや最新情報の提供はもちろん、インプラント治療に本当に必要な診査、診断のための資料の分析に関して詳細に述べている。
成長期から成人・高齢者に至るすべての層における患者さんが矯正治療に何を求めており、それに対するわが国における矯正治療の現状を正しく理解し、近未来の矯正治療について正しい展望をもつことはきわめて重要なことである。
本書は歯の漂白という分野が、どのようにして審美歯科の領域になっていったかを説明するものである。
ここ十数年間の補綴治療をみると、歯周治療の発展に伴い、歯周治療とのかかわりにおいて補綴治療も含めた歯科治療全体が非常な進歩を遂げてはいるものの、補綴治療そのものにおいては画期的な進歩はみられず、やや低迷気味である。補綴治療は1本のクラウンをいかに精密に作製し、歯周組織に調和させて装着するかというところからはじまる。補綴治療の結果に永続性を期待するには、各ステップを基本どおり確実に行うこと、そして各ステップでのチェックを確実に行いつつすすめ、かつチェックの判定基準をできるだけ高める努力をする必要がある。
歯周病原菌のためのこのアトラスは、実に魅力的であると同時に、有益で示唆に富んでいる。本書では、歯周病の国際分類に基づいた病因論が展開され、これらの理論的基盤を構築するのに続いて、歯周病に関わる非病原性ならびに病原性細菌についての詳細が記されている。付図の作成のため、走査型電子顕微鏡、暗視野撮影法や免疫蛍光顕微鏡法、そのほか細菌を証明するためのさまざまな手技を導入した。
インプラントのための顎骨の診断が、インプラント体植立の方向や応力のためのデータが、CT画像を基にしたコンピュータシミュレーションで行える。CT画像の歯科臨床への普及を前に、顎骨診断専用ソフトの詳細を解説し、併せて各種三次元的シミュレーション診断の現状をグラフィック・イメージを駆使して伝える。SIM/Plantを用いたインプラント顎骨診断のための世界初の入門書。
本書では、歯根面う蝕を中心に歯頸部周囲の欠損に関して、その病因と予防方法の実証された明らかな部分とそうでない部分を整理し、将来の歯根面う蝕の動向を考察することに主眼を置いた。さらに、この疾患の処置とそれに伴うメインテナンスを考えるために、診断から処置方法、材料まで最新の知識を紹介した。
本書はゴーダの名家の娘カタリーナ・ボルネスとの婚礼の日から、故郷デルフトに捧げるオマージュともいうべき「デルフトの眺望」を描くシーンまでを綴った伝記小説である。偉大なる芸術家の野望と成功の軌跡というよりは、日常的なファクターを積み上げ、ストーリーの派手さよりも心の襞に分け入り、絵の成立事情や家庭生活を盛り込みながら、愛妻カタリーナ、親友にしてライバルの画家ピーテル・デ・ホーホ、かつての学友で顕微鏡の発明者レーウェンフック、海軍将校ファン・ドンゲンなど個性豊かな人々との交流のなかから、フェルメールの人となりや創作の苦悩が浮き彫りにされてゆく手法をとっている。