トラウマという概念がどのような歴史的経緯を経て成立したのか、また、それが文化、社会的にどのように理解され、表現されてきたのか。さらに、トラウマを典型とする社会的苦悩が宗教や文化的実践においてどのように克服されてきたのかを、文化人類学をはじめとする人文・社会科学的な視点から、多角的かつ総合的に考察。トラウマを精神医学から解き放つ。
彼女たちの高齢期を、いかに社会として迎えるか。在日タイ女性が抱える脆弱性と高齢期に向けた選択を制約するものとはー。越境的な家族関係、それぞれの社会・制度に埋め込まれたジェンダー規範に着目して分析。高齢期を迎えるニューカマーの実相に迫った嚆矢となる研究成果。
性転換、TS、TGとは何か?米国の最も過激な思想家カリフィアが、多くの当事者・関係者への調査・分析、そして自身の「性転換」の体験をもとに、20世紀におけるTGの歴史と現在、医療者との葛藤、フェミニストとの軋轢、TG内部の相克を描いたTG論の決定版。サンディ・ストーン、野宮亜紀論文を併載。
8人のトランスジェンダーと当事者の一人として生きる著者とが織りなす語り合い。それぞれの過去といまに触れ、その体験を解いた先に見えたものとは?体験の「質感」を色鮮やかに描き出した、トランスジェンダーに出会える書。
女として生まれ育ち、「ふつう」を願い、罪悪感に押しつぶされながら、男になりたいとカミングアウトした、「僕」の物語。急転する子どもの人生にとまどい、憤り、悲しみ、それでも子どもと共に歩むことをあきらめなかった、「母」の物語。トランスジェンダーの医療概念と社会通念の変遷、家族を取り巻く社会構造の変容に翻弄されながら交差する2つの物語は、ついにひとつの結論にたどりつくー