前作『SEIZE FIRE』に比べると、ずいぶん聴きやすくなった。ひたすらパワフルにストレート勝負という感じが、いささかしんどかった前作とは違い、チェンジアップも覚えて幅が広がった。結果的に各楽曲の個性が浮き彫りになって、統一感も出てきた。
hiroが全曲英語でジャズを歌ったプロジェクト。直球ジャズからサンバ、ボサ・ノヴァなど多彩なサウンドをバックに、彼女はダイナミックに歌い上げたりフリーなスキャットになったり、低音での妖艶さも見せるなど、さまざまな歌唱で歌い手としての可能性を広げている。
デビューから2年半でのベスト盤。しかし、単なるシングルスではなく、アルバム曲(1)(8)の収録や、絶妙な曲順への配慮で、まるでライヴを楽しんでいるようだ。とくに、全国ツアー後に録り直した(14)〜(17)は、彼らが最高潮にいることが本当によく分かる。
最高の音で楽しむために!
たとえばブリュッヘンのような鮮烈さは、クナイスの演奏にはないけれど、リコーダー好きの人なら、こんなに自然に笛の感触を聴かせる演奏のすばらしさが、きっとわかるに違いない。2本の笛が作り出す響き合いは、心にしみ入るほど穏やかで温かい。
このCDは現代曲の演奏の方に価値があるようだ。近年は教育音楽に熱意を燃やす人と聞く。リコーダーは教育楽器としては貴重なものの一つだが、楽器の潜在力としてはどうか?それを「まだまだ出来る」と思わせるか、「これが限界」と思わせるか、そこが問題。
仲村佳樹の漫画の初CD化。司と竜二がラジオのパーソナリティをやったらというオリジナル・ストーリー。『少女革命ウテナ』でウテナを好演した川上とも子が主人公の少年司を楽しく演じている。歌(3)もなかなか。三木眞一郎(7)の声がもう少し前に出ると良いな。
2004年4月9日にパシフィコ横浜にて行なわれた“ワンナイ スーパーライブ”の模様をDVD化。くずのライヴを中心に、人気のワンナイキャラが次々に登場、会場の熱気をそのまま感じさせてくれる。