本邦ポップ界の系譜に異色な歌声とスタンスを刻んだ個性派が、87年に作ったジャズ・スタンダード・アルバム。初回リリース以降、絶版だったものだ。当時の彼女はロス録音などを経て、歌にますます熟成を映した時期。何だって歌っちゃうわ風の気概が快活。
米国で活躍する英国出身の実力派サックス奏者から見たアメリカを音で描いた作品。カントリー、サザン・ロック、ニューオーリンズとさまざまな要素を取り入れ、タイトルどおり、スケール感あふれるフュージョンを展開。クールな感触のサックスが心に響く。
95年のデビューから現在までの活動をまとめたベスト・アルバム。幻の未発表音源を収録、豪華ヒストリー・ブック付きと、見逃せないマスト・アイテム。
キース・エマーソンがEL&P前に組んでいたバンドの、BBCラジオの番組出演時の演目をまとめたもの。67年から68年にかけて。クラシカルなもの、ジャジィなもの、ポップなもの……いろいろ。枠を取り払え、てな精神の発露か。ザッパ曲カヴァーも。
ミディアム・テンポのヒップホップに合わせ、飲食店におけるおかしな外国人のやりとりをコミカルに演じている一曲。シンプルなサンプリングにより良い脱力感が出ており、ループのなかに引きこまれるような感覚。CX系アニメ『こち亀』のエンディング・テーマ。
マンハッタン・トランスファーの女性シンガーのソロ作。共演メンバーのアコースティック・ジャズ演奏も素晴らしく、彼女は伸びやかに自然体で歌っていて、だから感情をコントロールしながらの歌の表情が豊か。しっとりと成熟した大人の女の歌の世界である。★
デヴィッド・マシューズ編曲のピアノ・トリオをバックにした2002年録音作。湿度感のある声で原曲のメロディを丁寧に歌っており、収録曲の大半を占めるバラードはきわめてムーディ。トランペットのジョー・マグナレリが客演する(3)のゆったりとしたスウィング感も心地よい。
本作の“空間を生かしたヴォーカルの録音方法”は25年以上を経てリバイバルした。74年の2回目の来日を捉えたバートンの歌は若々しく新鮮さに満ちている。別テイクと未発表曲を追加収録、心に沁みる、分かりやすい発音と親しみやすい歌声は不滅だ。