人気ソプラノ中丸三千繪、久々の新録音。ヴォカリーズによって歌われた4曲の名旋律がこのCD最大の呼びものだろう。タイトルになっているマーラーのアダージェットなど清冽で美しさの極みである。柔軟な声を生かした「4つの最後の歌」に中丸の新境地が窺える。
この人のアルバムはなかなか凝っている。今回も映画に使われたクラシックの曲が中心だ。ほとんどが編曲ものだが、ちょっと苦しい(3)を除けば、ギターの魅力が満喫できるようになっている。もっとも、それを支えているのは彼の見事なテクニックなのだが。
テレビ番組など幅広い分野で活躍中の彼女の、初のソロ名義アルバムは映画音楽がテーマ。清潔さと親しみやすさを兼ね備えた演奏で、一流アレンジャーによるアコースティックなアレンジも聴き応え十分。
最近ますます人気の高まっているピアニスト、及川浩治がエンニオ・モリコーネやニーノ・ロータなどイタリア映画音楽界の巨匠たちの美しい音楽を録音。及川のDENON移籍第1弾にあたる。