ポップスから童謡、クラシックまでなんでもピアノで楽しく聴かせてくれるピアニスト、小原孝担当のNHK-FMの番組をCD化。彼のサロンでゆったり過ごしている気分に浸れる約1時間。耳慣れた曲もいいがクラシック名曲『ラ・カンパネラ』のかっこよさも注目。
人気ソプラノ中丸三千繪、久々の新録音。ヴォカリーズによって歌われた4曲の名旋律がこのCD最大の呼びものだろう。タイトルになっているマーラーのアダージェットなど清冽で美しさの極みである。柔軟な声を生かした「4つの最後の歌」に中丸の新境地が窺える。
この人のアルバムはなかなか凝っている。今回も映画に使われたクラシックの曲が中心だ。ほとんどが編曲ものだが、ちょっと苦しい(3)を除けば、ギターの魅力が満喫できるようになっている。もっとも、それを支えているのは彼の見事なテクニックなのだが。
ちょっと湿り気味の美声と、誇張のない歌がチャーミング。クラシカルな品格も高く、音域こそ違うが、キャスリーン・バトルを思い出す。録音ディレクションには本人も参加し、オーケストラと声の別録りによって十分なゴージャス感を確保。現代的な感性が光っている。★
テレビ番組など幅広い分野で活躍中の彼女の、初のソロ名義アルバムは映画音楽がテーマ。清潔さと親しみやすさを兼ね備えた演奏で、一流アレンジャーによるアコースティックなアレンジも聴き応え十分。