粒子の速度が光速に近づいてきた場合の量子力学的とり扱いを、相対論的量子力学という。また電磁場はもともと相対論的であり、この量子論も含まれている。最近の理工系分野での技術革新を見ると、その精度の上昇から、当然相対論的補正を必要とする時代にさしかかっている。このような時代にあって、学部学生のための量子力学に、相対論的量子力学を加味する試みがなされてきた。相対論的量子力学という題名の教科書は、内外に数多くあるが、大学院生を対象としているのがほとんどである。本書は学部学生にとっての、相対論的量子力学の入門書として、著述されている。
おとなにとってあまりに身近で、あまりにも大きな植物の存在も、子どもにとっては、さらにつかまえにくい、千差万別のものとしかうつりません。子どもたちには、摘み草や、ごはんや、おやつというふうに、それぞれちがった「もの」である、タンポポや、米や、すいかなどが、みんな同じ「植物」の仲間なんだという原則を知ってもらうのがこの本の目的です。
八百八橋いまむかし。
分子種の電子励起一重項状態の失活速度に関する情報を得るには、蛍光をモニターする方法が、原理的には最も簡単で直接的である。数百ナノ秒から数十ピコ秒にわたる蛍光の時間変化は種々の方法によって測定できるが、過去12年間に最も一般的になっている方法は、時間相関単一光子計数法である。種々な単一光子計数システムを使ってみた筆者ら自身の経験を生かして、このおそろしく敏感な方法をすでに使ってたり、これから使おうとしている人々に役立ちたいのと一心から、本書を著わした次第である。
今や、現代人のベーシックアイテムとなった「事物」の出生の秘密と、その生い立ちを公開。ものと世相でつづったトレンド史。自分の青春を語りたいあなたに。
本書は、ソフトウェアの「モデリング(構造化)」と「再利用」を軸としてまとめられた、ソフトウェアの設計技術の解説書である。ソフトウェアの開発過程の各段階における生産物を、モデルや部品により徹底的に標準化することにより、「再利用」の推進を図ろうとするのが本書の考え方である。
人類がきずきあげた文化や科学の成果は、サルのようだった人類の祖先から、すこしずつ、すこしずつ、たくわえ、うけつぎ、加えてきた、智恵と工夫のたまものです。ここには、そうした人間の工夫と智恵の、集積と発展のあとを、歴史そのままではなく、一つの整理によって、小さな読者に提供しようとしました。
この本では、物質をしるため、その性質を一つ一つ分け、検討し、それらをまとめるという帰納法の推論と総合判断がとられています。科学の研究が進み、専門が分化していく現在、こまかな知識の断片でなく、ばらばらのこまやかな要素を、広い目でみつめながら集積して、対象の全体像や物事の実体に迫ろうとする態度や考え方がますます大切になっています。
江戸時代、動植物図を盛んにしたものに、各藩が殖産事業をなすにあたって「諸国産物帖」を編纂したことがある。以後、大名が自らすすんで図を描いたり、絵師をかかえるようになり、武士ばかりでなく医師や町人などからも多くのナチュラリストが輩出した。競って動植物の確かな観察による「真写」「生写」を目ざしたのであった。図譜の普及に力のあった木版画がこの時代に大いに発達して次々に動植物図集が刊行されたが、これには費用がかかりすぎたため、いまだに印刷されずに世に誇るべき優れた動植物図が埋もれたままになっている。江戸時代の財産としてわれわれに残されているのである。本書は、それらの一端を、新撮影して紹介しようとするものである。
この豪華な歌集はクリスマスを祝うにまことにふさわしいものである。イギリスの有名な音楽家サー・デイヴィド・ウィルコックス卿は、ジョージ・フレデリック・ヘンデル、ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ、エクトール・ベルリオーズ、ベンジャミン・ブリテン等の名曲と共に、イギリス、フランス、ドイツを始め、ヨーロッパ諸国の愛唱クリスマス・キャロルをここに集めている。本書には、ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の美術作品の秘宝が、全巻いたるところにちりばめられている。ヘンデルの「メサイア」の、空高くひびきわたる調べが、クリスマスの祝典に欠くことのできないものとなって久しい。本書は、その「メサイア」(抜粋)を、多くのクリスマス愛唱歌とあわせて、お手元にお送りするものである。
巨大な仏教遺跡が残り、宝石の眠る島スリランカの“現代見聞録”を綴りマラッカ海峡を抜けて香料諸島へ。そして隠されていた、もう一つのルート、マレー半島の横断行を再現。
この本は、絵を描く人のための色彩の入門書であり、なによりも読者が、実際に絵具を使って本書の内容を追体験するように構成されている。学生から専門家まで絵画制作に関わる人が個人的に活用できるだけでなく、美術教育の現場で直接役立つような参考書として構想されているので、まさに実践のための本である。しかし、この本は単なる初心者向きの技法書ではなく、科学的な色彩論を踏まえたうえで、それに対して画家の立場から具体的かつ厳密な批判が試みられているので、色彩論の専門書としての性格を失っていない。
漢の劉向の著。春秋時代から漢の初めまでの先賢の逸話を捜集。古来より指導者階級の人々に愛読され続けてきた。本書は全二十篇の中から、日常に活かし得る章、興味深い章等を選んで収録し、解説。
春秋時代、斉の霊公・荘公・景公の三君に仕えた晏子は、『史記』の著者司馬遷が、彼が生きていれば、その御者になって仕えたいほど慕わしいと称讃した人物。本書は、庶民の立場で君主を諌め、治政に努めた名宰相晏子の不滅の言行録。