歌舞伎は日本が生み出した、世界に誇る古典芸能である。その歴史は古く400年に及ぼうとしている。歌舞伎の舞台に登場する衣裳、かつら、小道具、大道具には四季の特性を捉えた日本人の心が集約されている。そこに表現されるかたちは、歴代の名優と歌舞伎に携わる裏方が築き上げた独特な日本の伝統文化に、仏教伝来と共にシクルロードを通り伝播した、先行芸能の芸と技を生かしたものである。本書は“色彩と象形によるデザイン”という視点で様々な方向から展開し、歌舞伎を通して日本文化の再発見を味わう絶好の楽しみを提供する。
漢方診療についてまとめたハンドブック。6章で構成され、1〜3章では漢方医学の基本と診断・治療の原則をまとめる。4章は疾患別に方剤の選択方法を、5章は方剤の構成、意味、適応をその用途別に、6章では方剤を構成する生薬を五十音順に解説する。巻末に方剤索引、漢方用語索引、エキス剤とそのメーカー一覧がある。-漢方治療に必要不可欠の知識を現代医学の医師にすぐに判るように解説した診療必携。
アジアへの加害と日本での被害を考える。敗戦から50年を経てなお清算されていない、侵略戦争の犯罪と日本の民衆が受けた傷あとを関連づける。南京大虐殺、マレーシア文律事件、沖縄やサハリンへの強制連行等、アジア各地の被害者と、空襲、原爆、沖縄戦等、国内での被害者が、それぞれの体験を語る。
雲の「盗難」事件が発生した。法廷はこれをどう裁くのか。判例で見る現代技術の事件簿、全35話。
本書は、後漢より隋までの、梵語等の世域諸語から漢語に翻訳された仏典を読解するために、必ず知っていなければならない、魏晋南北朝漢語語法につき、その基本的なことがらをまとめたものである。
箸にかぎらず道具や用具は、最初から正しい持ち方・使い方を教えることが大切である。そして、技術は形にして見せ、教えることが基本。本書は生活技術の基本を教えるテキスト。
ドイツ中部の農村とルールの炭鉱町を舞台に、ありふれた日常生活のなかに潜むナチズムへの道すじを鮮やかに読み解く。
タテ系列・集団主義の秩序の中にも“個”の活躍の余地は多分にあった。「滅私」こそ日本社会を形づくる中心原理だとする定説に対し、個人主義の活力が経済発展をもたらしたと説く画期的研究。
戦後50年。日本人は、この半世紀をどのように生きてきたのか。戦争を忘れなかった人、戦争を忘れた人、戦争を忘れようとしなかった人、戦争を忘れようとした人…。無数の人々の過去と現在が奏でる、壮大な人間シンフォニー。朝日新聞特別連載のオリジナル文庫化、第一弾。
1945年9月に発売され、3カ月足らずの間に300万部を売り切った幻のベストセラー『日米会話手帳』。わずか36ページの手帳に、当時の日本人はどんな夢を見たのか。その全ページを50年振りに写真版で再現。さらには12名の論客がこの戦後第2位のベストセラーを論じ、語る、文庫版オリジナル。