環境破壊=女性差別=第三世界問題。今こそ、エコ・フェミニズム。〈脱近代主義フェミニズム〉を掲げ好評を博した旧版に「『生殖革命』と身体のエコロジー」(第5章)を追補。
リオ環境開発会議(1992)、カイロ人口会議(1994)、北京女性会議(1995)の焦点、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)を地球生命系の観点から捉え直す。
天使のように繊細に、悪魔のように大胆に。男性によって独占されてきた哲学パラダイムへ女性からの挑戦。
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないかー。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。
セクハラの何が問題なのか?混迷するセクハラ論議に指針を与え、セクハラや性暴力、ポルノ・売買春など性をめぐる現象にひそむジェンダー力学を解剖する。法や経済、文化とセクシュアリティとが織りなす権力構造をあぶりだし、「セクハラNO!」を武器に挑戦するフェミニズムの実践書。フェミニズムの理論的成果を一人ひとりのより自由で可能性豊かな生き方につなげる。理論のためのフェミニズムから女性のエンパワーメントのツールとしてのフェミニズムへ。
映画・文学・女性学等身大の女性たち。社会主義は女たちに何をもたらし、何をうばったか。丁玲、蕭紅ほか革命の時代を生きた作家たちや新世代による文学、映画などにみる女性の表象を通じて、中国女性の自由と解放への模索を、筆致豊かに描きだす。
女性の生と性への縛りに抗し、果敢にたたかってきた近代のフェミニストたち。明治・大正から戦後までのジェンダーと家族・国家の歴史に分け入り、異性愛や血縁に拠らない新たな家族のつながり、社会との関係性を探る。女性天皇・男女共同参画をめぐるジェンダーバッシングにも正面からこたえる。
フェミニズムとは性差別にもとづく搾取や抑圧の構造を問い、その変革を目指す思想のはずである。だが、いわゆる「第一世界」のフェミニズムは、「帝国」による植民地支配に起源する植民地主義を見落としたまま主張されてきた。植民地主義と性差別という複合的な抑圧のもとにある朝鮮女性たちが、真の人間性を求めて辿った苦闘の軌跡を描きながら、開かれたフェミニズムの可能性を問う。
フェミニズムの視点から、マルクス主義の批判と超克をはかり、新たな女性解放の理論構築をめざす試み。
現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。また、近年の中国の民族主義は「慰安婦」問題をどのように捉えているのか。中国ジェンダー研究における第一線の研究者による最新成果。
フェミニズムとは一体、何なのか?フェミニズムは女性だけのものなのか?ベル・フックスのフェミニズム理論が古びない理由は?現代フェミニズム思想の教本。ベル・フックスの代表作の翻訳本刊行。
ポストフェミニズム化する日本を斬る!対話と論争の覚醒へ。ナンシー・フレイザーの批判を真摯に受けとめ、英米のポストフェミニズム論を読み解き、日本の「ネオリベラル・ジェンダー秩序」を、理論的かつ具体的に批判する。
1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。