境界を越えた対話のために。西洋の女性が殴られると家庭内暴力といわれるのに、第三世界の女性が殴られるとなぜ文化のせいにされるのか。
「父」を楽しませてやりなさいな。でも、彼の法に服従してはだめ。フェミニズム=「娘のテクスト」は「精神分析の聖典/正典/性典」=「父のテクスト」の内部に入り込み、解体し、未知なる生命を得る。交錯するテクスト間に渦まく欲望を味わい尽くし、精神分析とフェミニズム双方に新たな視座を拓くフェミニズム批評の到達点。
正義論は家族やケアの問題にいかに応答しうるか。リベラル・フェミニズムの立場から法哲学の再構築に挑んだ先駆的著作。近年の展開を捉える2つの寄稿を新たに収録。
なぜ「対立」は生まれたのか?保守運動家・フェミニストへのフィールドワークと、膨大な資料分析から、「対立」の背景を明らかにする。
混迷する女性解放論の多様な論点を再検討、あるべき方向を探る。イギリスの〈穏健派〉フェミニストによる思索のすすめ。
言語、精神分析、歴史、人類学etc.の学問体系をふまえ、20世紀批評を包括するフェミニズム文学批評または「差異」のつくり方。
働きすぎのマザコン社会、ニッポン。おしつけがましい〈男らしさ〉をオリて、人間らしく暮らすにはー。男性学の論客から日経連会長まで、男のいいぶん25本立て。
ウーマンリブから三十年。男社会の壁に挑んだ女たちが切り拓いた苦闘の道。しなやかなイブたちは時代をどう変えたか。フェミニズム最新リポート。
文学テクストの言葉は、書き手の意織・無意識を問わずその社会的性格によって女性を抑圧する言説に傾きやすい。これまでの批評・解釈では看過されてきた女性の主体がきらめく瞬間をとらえること、性差別を超えた彼方を構想すること。本書はこうした「フェミニズム批評」の関心にもとづき、日本近代文学の著名なテクストの丹念かつ冒険的な読みを試みる。
わずか20年間のうちに、驚くべき成果をあげたフェミニズム批評の歩みと〈現在〉、そして未来への指向を、その豊かな多様性をそこなうことなく紹介する“もっと良く理解するためのフェミニズム文学批評入門書”。
古典古代からポストモダンまで、「天才」という語と概念の歴史に潜む、男の優越のレトリックを解明して、女の文化的業績評価への新しい戦略を提唱する。
あらゆる生命が絶滅の危機にさらされている現在、地球を救おうとする女たちの思想と行動は、エコロジーとフェミニズムの流れをくんで新たな思想を編みだした。その多文化的なビジョンは、古代自然宗教から最先端の生命科学にまでいたる。詩人・小説家・学者・活動家・宗教者らの多彩な声を収録した、エコフェミニズム思想の集大成。