50年の時を経て、遂に真のロイヤル・アルバート・ホールでのライヴが発売になる。
98年、ブートレッグ・シリーズ第4弾として発売された『ロイヤル・アルバート・ホール』は、
マンチェスターにあるフリー・トレード・センターで録音されたものだったが、
それは60年代末に出回った海賊盤『ロイヤル・アルバート・ホール』の音源元がそうだったため、
それに倣って発売されました。今回発売になるのは1966年にヨーロッパツアーを行っていた際、
最終公演となったロイヤル・アルバート・ホールで5月26,27日に録音された音源が使われる予定。
当時のディランはアコースティックとエレクトリックの2部構成でライヴを行っており、
フォーク信者によるエレクトリック・セットへのブーイングはすさまじく、永らく伝説として語られてきた。
そんな時代のドキュメントととしても価値ある作品が遂に登場する。
弾き語りで歌ったDISC-1と対照的に、攻撃的なロック・アンサンブルで押し通すDISC-2が素晴らしい。観客の野次に歌の題名で応酬する伝説的な一瞬だけではない、歌と演奏が圧倒的にいいのだ。33年前のこの録音があれば、ある意味グランジは不要かも。★
バック・バンドとして長らく活動をともにしたザ・バンドとの初のスタジオ・アルバムで、代表曲のひとつとなった「いつまでも若く」をはじめ、息の合った演奏を聴かせる名作だ。1974年作品。
日本、オーストラリア、ニュージーランドを廻ったツアーの後、ディランがバック・メンバーとともにスタジオ入りし、完成させた1978年作品。サックスや女性コーラスに色づけされた、美しいポップ・アルバム。
宗教色の濃い作品が3作続いた後に、83年に発表された回帰作。マーク・ノップラーの素晴らしいギターもさることながら、スライ&ロビー、ミック・テイラーらの参加により落ち着いた完成度を誇る作品。
名盤『ブロンド・オン・ブロンド』の発表後に遭遇した事故で重傷を負ったディランが、静養を兼ねてナッシュヴィルに篭って制作した1968年の作品。簡潔に深みを増した詩の世界と、シンプルなアコースティック・サウンドが特徴のアルバム。
アコースティック・サウンドによる穏やかな印象の傑作(75年作品)。詩の面でもこれまでと一味違う味わい深い作品が多く収録されており、特に「愚かな風」は70年代を代表する1曲となった。
1965年発表の5作目が紙ジャケットで登場。初の全米トップ40ヒット「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」をはじめ、フォーク・ロックと呼ばれるスタイルを提示した記念碑的傑作だ。
60年代の熱狂的なディラン・ブームがやっと落ち着いた時期(70年)に発売された異色作。長々と続く女性コーラスのリフレインではじまる。カントリー曲を歌う時、ボブにしては珍しくしわがれた声ではなく、透明感あるきれいな声が聴けるのが印象的だ。