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マーラー:交響曲第4番(室内アンサンブル版)
トーマス・クリスティアーン・アンサンブル
ブルックナー第7番(60313132)に続く、トーマス・クリスティアーン・アンサンブルによる交響曲シリーズは、2006年1月、日本初演もされたシュタイン編曲の室内アンサンブル版マーラー4番。
1921年、エルヴィン・シュタインによって完成されたマーラーの交響曲第4番の室内アンサンブル版は、シェーンベルクが創立した「私的演奏協会」のために作られたものです。こうしたムーヴメントには賛否両論あったわけですが、特にこの4番のアレンジは、19世紀から20世紀への転換(もしくは混乱)を非常によく映しだしています。
オリジナルの交響曲に比べ、より憂鬱な雰囲気を得た室内アンサンブル版。編成が小さい分、ソプラノの技量がより重要な役割を担いますが、ここに実力派エルツェ(DGにティーレマンとのオルフ:『カルミナ・ブラーナ』(453587)などがあります)が起用されているのも大きな聴き所。20世紀初頭、ウィーンを彩った退廃的な美意識を堪能いただけます。
・マーラー:交響曲第4番ト長調
[エルヴィン・シュタイン編曲、室内アンサンブル版]
クリスティアーネ・エルツェ(S)
トーマス・クリスティアーン・アンサンブル
Disc1
1 : Oelze, Christiane - Sinfonie Nr. 4 G-dur (bearb. V
2 : Bedaechtig. Nicht Eilen
3 : In Gemaechlicher Bewegung. Ohne Hast
4 : Ruhevoll
5 : Sehr Behaglich
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ピアノトリオ・ファンにはお馴染みのデンマークのベテランピアニスト、Thomas Clausenと、今や名実共に現代を代表するトップ・ベーシストの一人と言えるArild Andersenと、デンマークの中堅ドラマー、Nils Vindingの3者連名のトリオ作。
楽曲の提供は全てドラマーのNils Vindingによるものなので、実質Nils Vindingのリーダー作と言えるでしょう。Music Meccaでの3作目は純然たる北欧系ピアノ・トリオ作に仕上がっている。全曲Nilsのオリジナルで、Clausenの持ち味を引き出すような牧歌的な雰囲気のメロディアスな楽曲が印象的。緊張感の高い引き締まった空気も適度に配しておりアルバムとして完成度の高い1枚。
Nils Vinding (ds)
Thomas Clausen (p)
Arild Andersen (b)
Disc1
1 : Senga
2 : Swinck
3 : Trembling
4 : Anakron
5 : Ballade
6 : Breathspoken
7 : The Valley
8 : Take
9 : Rumbled
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新ウィーン楽派の3巨匠によるアレンジ+最新アレンジ!
ヨハン・シュトラウス編曲集
悦楽に満ちたヨハン・シュトラウスのワルツを、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンという新ウィーン楽派の3巨匠が、世紀末の香り漂う室内楽に編曲。
【私的演奏協会】
批評家を嫌い、自分の思い通りのコンサートを開きたかったシェーンベルクが、第一次世界大戦休戦協定の結ばれた1918年11月に設立したサロン・コンサートともいうべき「私的演奏協会」。目的は当時最先端の作品を中心に紹介して、文化的教育的な名目のもとに収益も得るというものでした。
とりあげられた作品は、マーラー、ベルク、ヴェーベルン、シェーンベルク、シュミット、リヒャルト・シュトラウス、ドビッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、シマノフスキなど実に多彩で、3年間に計117回のコンサートが開かれています。
【ヨハン・シュトラウスの編曲】
同時代の音楽を中心にコンサートの演目が組まれていた「私的演奏協会」ですが、中には古い持代の曲も含まれていました。1921年5月27日には、シューベルトの『冬の旅』の演奏会が予定されていたのですが、歌手のキャンセルで演奏ができないことがわかったため、急遽、ヨハン・シュトラウスの有名作品を、ベルク、ヴェーベルン、シェーンベルクにより、弦楽四重奏とピアノ、ハルモニウムという6名編成のアンサンブルに編曲したコンサートがおこなわれることとなったのです。公演は大成功を収め、終演後には楽譜の販売もおこなわれたほどでした。
【私的演奏協会の解散】
しかし、そうした成功にも関わらず、戦後の不況もあり、財政状況がすでに大きく悪化していた「私的演奏協会」は、1921年の暮れには解散を余儀なくされてしまいます。シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンなど協会を支えた人々も、それぞれの作曲の道に戻りますが、そこで残された数々の編曲楽譜は、現在も多くとりあげられ、聴き手の耳を楽しませています。
【新たな編曲の追加】
今回のアルバムでは、そうしたおなじみの作品に加え、指揮者としても知られる作曲家マンフレート・トロヤーン編曲によるポルカ『観光列車』と、ワルツ『ウィーンの森の物語』、そして同じく作曲家のハンス=ペーター・ドット編曲による『トリッチ・トラッチ・ポルカ』の3曲が加えられ、室内アンサンブルによるヨハン・シュトラウスの世界がより拡大されているのがポイントです。
【ウィーンの実力派アンサンブル】
1951年リンツ生まれのヴァイオリニスト、トーマス・クリスティアンが率いる「トーマス・クリスティアン・アンサンブル」は、これまでに「私的演奏協会」によるマーラーの交響曲第4番や、ブルックナーの交響曲第7番のほか、キーンツルの弦楽四重奏曲集、ヨーゼフ・マルクスの弦楽四重奏曲集などで注目を集めてきました。
彼らは「ウィーン弦楽五重奏団」としても活動しており、ブルックナーの弦楽五重奏曲やモーツァルト:弦楽五重奏曲全集、シュトラウス・ファミリーの作品集などもリリースしていました。
【収録情報】
J.シュトラウス2世:
・ワルツ『酒・女・歌』Op.333(1921:ベルク編)
・ワルツ『宝のワルツ』Op.418(1921:ヴェーベルン編)
・ワルツ『南国のばら』Op.388(1921:シェーンベルク編)
・入江のワルツOp.411(1921:シェーンベルク編)
・皇帝円舞曲Op.437(1924:シェーンベルク編)
・ポルカ『観光列車』Op.281(2007:M.トロヤーン編)
・ワルツ『ウィーンの森の物語』Op.325(2007:M.トロヤーン編)
・『トリッチ・トラッチ・ポルカ』Op.214(2004:H=P.ドット編)
トーマス・クリスティアン・アンサンブル
録音時期:2009年1月18〜21日
録音場所:レヴァークーゼン、バイエル・カルチャーハウス
録音方式:デジタル(セッション)
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