2077年中央アジア・タリム盆地。かつてのシルクロードはその地下に眠る膨大な石油資源をめぐって熾烈な争いの舞台となっていた。アジア国家連合は、敵国がロプノール湖岸に建設した軍事基地を破壊すべく“タリム7”を送り込んだー。タリム7とは、特殊能力を持つ犯罪者で構成される傭兵部隊。この一癖も二癖もある男たちをひきいて、隊長の白龍は人工知能に守られたハイテク要塞に挑む。新鋭が描く書下ろし痛快冒険SF。
譲の心配をよそに、留年が決定的となった高耶。直江との関係もいっこうに良くならず、「おまえは、直江をなくすことになるぞ」という千秋の忠告にも耳を貸そうとしない。一方、直江と綾子は、闇戦国がらみの海難事故の調査のため、神戸に来ていた。毛利の村上水軍が、巨大な怨霊の戦鑑を作りあげようとしているらしい。そんな時直江は、〈力〉が使えなくなっていることに気づいた。
大破した船から投げ出された高耶、直江、風魔小太郎は、瀬戸内海の小島に漂着していた。身を呈して高耶を守った直江だったが、その目は光を失ってしまっていた。信長を討つため、毛利、一向宗と手を組もうとする小太郎に、高耶は激しく抵抗するが、直江を人質に取られ、毛利の本拠地へと連れ去られてしまう。一方、大和の謎を追っていた綾子たちは〈楊貴妃〉に会うため、秋芳洞へ向かうが。
輝元が放った銃弾は、直江の心臓を撃ち抜いていた。駆け寄った高耶とたった一瞬、視線が結ばれ、それが直江の最期だった。「直江、早くオレを助けてくれ。早く、おまえがいる世界に帰りたい…。」その瞬間、毛利の本拠・萩城一帯を激しい地震が襲い、巨大な火炎の渦が夜空に燃え昇った。高耶の魂の絶叫が、地上に大崩壊を招こうとしていたのだ。衝撃の第一部完結編。
雪深い越後・春日山城から、日光東照宮、奈良、高耶の故郷・松本・仙台、京都、米沢の上杉祭りまで『炎の蜃気楼』の舞台を求めて西へ東へ。雑誌『COBALT』の好評連載エッセイに書き下ろし米沢編を加えたトラベル・エッセイ・コレクション。
色部に連れられ、鎌倉に出向いた千秋は、意外な人物に出会った。それは荻城での事件以来、姿を消していた《軒猿頭》八海だった。八海は、謙信からの命令で秘密裏に行動していたことを告げる。一方、開崎に連れさられた高耶は、里見一族に拉致されていた。だが《力》を封じられ無力な高耶に「あなたのそばに行く。待っていて…」と開崎が語った言葉は、死んだはずの直江のものだった。
日本海に臨む海東市にある白楊学院の日高院長は竜堂兄弟の亡き祖父の友人だった。その院長からある日、SOS信号を受けた四兄弟は、二学期の始まりから学園を救うため出撃した。謎の転校生・終と余は巨悪たちの集う仮面パーティに潜り込み、大暴れ。怒りの四兄弟がそろってドラゴンに変身するのはいつか。
直江の景虎への想いが虚しく漂う…表題作他2編収録の「炎の蜃気楼」番外編。
三郎にもう一度相模の海を見せたかった…。兄・氏照を描く『炎の蜃気楼』番外編。
直江、二十四歳。信長の『破魂波』に立ち向かった景虎の安否はわからない。長兄の照弘に頼まれて、すすり泣くという観音像を霊査した直江は、それが隠れ切支丹たちが礼拝したマリア観音であることに気づく。直江はその像に強い罪と後悔の念を感じ、興味をひかれていくが…。(『Exaudi nos』)他『GOLD WINNER』『夜を統べる瞳』収録。大人気『炎の蜃気楼』番外編。
上杉景虎が赤鯨衆に捕縛された。高耶の身柄は草間の手に預けられ、尋問が始まった。しかし尋問とは名ばかりで、草間は募りに募った怒りと憎しみを景虎にぶつけるのだった。なんとか高耶を救おうとする中川は嶺次郎にかけあうが、逆上した嶺次郎は中川の話を聞こうとしない。高耶という軍団長を失った前線には動揺が走っていた。そんな時、傷だらけの高耶の前に、兵頭隼人が姿を現すが…。