「個で生きる」というと、すぐにヨーロッパ近代の個人主義が連想される。しかし、そもそも「個人主義」という考えは、どんな発想のもとに作り上げられてきたのだろうか。本書では、ヨーロッパ個人主義の源流を、古代ギリシアと、キリスト教、そして、中世スコラ哲学の内に再発見し、その思想の底にあるものを洗い出すことによって、そこから現代日本人が、この不安な社会の中で生きていくためのヒントを探り出す。「孤立」を恐れることなく、また、そこに逃げ込むこともなく、しかも、「ただ一人でも生きられる精神」の可能性を問う一冊。
中国・春秋時代の晋。没落寸前の家に生を受けた若者・士会は、並外れた兵略の才と知力で名君・重耳に見出され、混迷の乱世で名を挙げていく。生死を無意味にしないために人はなにをすべきか。勇気の本質とはー。苦難を乗り越え、宰相にまで上り詰めた天才兵法家のあざやかな生涯を格調高く描いた古代中国傑作歴史小説。
ヒマラヤの美しい大自然に囲まれたのどかな暮らしー。そんなイメージとは裏腹に、反政府武装組織マオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)との内戦状態が続き、王国は大きく揺らいでいる。ネパールに通い続ける写真家が、軋みのなかに生きる民衆の等身大の姿を内側から丹念に活写。10年間の取材を集大成した、珠玉のフォト・ノンフィクション。
3分、5分のスピーチは得意でも、1時間のスピーチにはまったく違った技術と準備が必要です。いつ講演、スピーチを頼まれるか分からないあなた。1週間で、1時間スピーチの仕方をマスターしておきましょう。その方法を、元・NHK名アナウンサーが伝授。
1948年、アラスカの小さな村にひとりの教師が赴任してきた。今度の先生はいままでと少しちがうと10歳の少女フレッドは思う。アグネス先生は教室の机を円形に並べた。「これはあてにならないものね」といって成績表は箱の中に投げ捨てた。大きな地図を使って、村の位置や世界中のいろいろな国のことを教えてくれた。フレッドの耳の不自由な姉には手話を教えてくれ、その輪は大人たちへも広がっていく…。新しい世界の扉を開いたひとりの教師と子どもたちの1年をあたたかく描いた感動の物語。スクールライブラリージャーナル最優秀作品賞はじめ、受賞多数。
1920年代後半から30年代は、日本近代出版史の中で質の高い書物と書物文化興隆の時代で、斎藤昌三はその中心を担った人物。「愛書趣味」「書物展望」などの雑誌、選ばれた著者と内容の良さで「書物展望社本」と呼ばれる凝った限定本は、書物愛好家の中で現在でも高い人気を誇る。著者は斎藤昌三との長いつき合いの中から、その波乱に富んだ生涯と作品、そして書痴たちとの交遊を描き出す。巻頭口絵にカラー書影16ページ。
宴席でネクタイをゆるめる姿にキュンとなる。美術館の隅に座る女性にドキッとする。ダムの放水に毛穴が開く。モロとか毛とか、もうそんなエロはうんざり。日常からはみ出すささやかな妄想=「小エロ」。ついでに中2、ブルジョワ、人んちのひみつもわかった。
わたしがねこじゃなくておうむだったら。伝統的で現代的、細密なイラストで見るものを魅了する、ベイリーお得意の猫の絵本。
男ならではのガーデニング、その意外な楽しみ方を伝授!眺めるだけ!手入れも程々!植物との気楽な付き合い方。
『死ぬかと思った』を生み出したサイト「Webやぎの目」の大人気コラム傑作選。