総大将ぬらりひょんと珱姫の祝言を描いた京都過去編後日譚、鴆や黒羽丸が遭遇した怪異譚など、浮世絵町に棲む妖たちの奇怪な日常が明らかに。浮世絵町に聞こえし妖怪譚ー初小説化。
吉原の遊女・朝霧は、特別に美しくはないけれど、持ち前の愛嬌と身体の“ある特徴”のおかげでそこそこの人気者。決して幸せではないがさしたる不幸もなく、あと数年で年季を終えて吉原を出て行くはずだった。その男に出会うまでは…生まれて初めて男を愛した朝霧の悲恋を描く受賞作ほか、遊女たちの叶わぬ恋を綴った官能純愛絵巻。第5回R-18文学賞大賞&読者賞ダブル受賞の大型新人が放つ、驚愕のデビュー作。
日本国憲法誕生の現場に立会い、あの占領軍司令部相手に一歩も退かなかった男。常に活眼を世界に注ぎつつ、わが道を行く天衣無縫の気概。物事の筋を通し、自説を枉げぬ強靱さ。と同時に、内に秘めた優しさ、しなやかさ、ユーモア。端正な面立ち、洒落た身なり、寸鉄の片言…。正子夫人をはじめ、この男に魅せられた人々の「証言」から蘇える「昭和史を駆けぬけた巨人」の人間像。
妻子を得て春陰にたたずむ望の胸中には、焦燥あるばかりであった。周公を中心に諸侯は策謀しつつある。しかし独り時代の先を視る望の苛烈な生は、人知れぬ哀しみにみちていた。ひとは己れを超えねばならぬ、あたかも小魚が虹桟を渡り竜と化するように。利に争うものは敗れ、怨みに争うものは勝つ、そしてそれを超えるとは。
数学好きの人間だけが集まる奇妙なリゾートホテル“ホテル・ド・フェルマー”。一ヵ月前に起きた密室殺人事件に挑むことになった浜村渚は武藤刑事らはホテルに隠されたもう一つの謎に出会う。それは前オーナーの莫大な遺産のかかった不可思議な「なぞなぞ」だった。シリーズ初の長編。文庫書下ろし。
「親業」とはつまり、子育てのことである。それをあえて親業としたのは、従来の子育てのなかでは、「子供がいかに育つか」と、子供のほうにばかり重点がおかれていたのに対し、本書では、「子供が育つ上で親がいかに関わるか」という親の側に焦点を当てて子育てを見直すところに、ひとつの大きな特徴があるからである。
中国古代歴史小説の第一人者である著者の作品のなかから、人の生きかた、努力、組織、富、男と女などのテーマに沿って選びだした珠玉のことば。巻末に、自身の半生を振り返りながら、ことばとのかかわりを綴る「あとがきにかえて」を付す。
NHK教育テレビの講座番組から、初心者向けの優しいヨガ・レッスンをパッケージ化。体の硬い人や筋力の弱い人にも可能な工夫満載のプログラムで、正しいポーズの習得を目指す。三田村邦彦、林マヤが生徒役で出演。
崔杼は慶封と手を組み君主を弑した。一旦は崔杼の専制が成ったかにみえたが、崔氏は分裂崩壊し、代わった慶氏も誅せられた。脆弱不安の政情下、晏嬰は天の意志、民の声を全うしうるのか。後代、司馬遷がその御者になりたいとまで敬慕した晏嬰。稀代の聖人の人生の哲理を捉えた巨編。
霊帝が崩御すると、宮中で宦官の大殺戮が起きた。この混乱に乗じて力を得た董卓は独裁者となり、皇帝を長安へ移し、洛陽の都を焼き払う。各地の叛乱は中央を離れた独自の勢力となりつつあったが、強大な董卓軍に最初に戦いを挑んだ曹操は惨敗し、次に戦った孫堅が大勝した。劉備は北方の公孫〓(さん)の元で、黄巾軍に初めて快勝する。文庫版オリジナル書き下ろし『後漢と三国の仏教事情』(一)-秦の始皇帝と兵馬俑など。
二万の軍勢を率いて尾張に進攻した今川義元であったが、桶狭間で信長の寡兵に敗れ命を落とす。父の死、弟の謀叛を乗り越え、元康に属く決心をした菅沼定盈は、その手腕で信頼を勝ち得るも、人質にとられた妻を殺され、守るべき野田城を奪われるという悲運に見舞われる。甲斐では、今川と松平の熾烈な争いを横目に、信玄が不穏な動きを見せ始めていた。時代が激動の様相を呈する第五巻。
称の孫重耳は、翼攻めに大功をたてた。雄偉な体躯の心穏やかな公子で、狐氏から妻を娶り、その一族の厚い庇護を受けていた。称の死後晋の君主となった詭諸は、絶世の美女驪姫に溺れ、奸計に嵌まって重耳たち公子を殺そうと謀る。逃れ出た重耳と家臣たちの、辛酸の日々。晋の国内は大きく乱れて…。
あの夏、ニューヨークはおしゃれで、華やかに輝いていた。でも、19歳の私はガラスの覆いに閉じこめられ、心は不思議に虚ろだった。30歳で自ら死を選んだ詩人シルヴィア・プラスの自伝的小説。
オランダ名門クラブは、ナチスにどう抵抗したのか?ガス室に消えた選手の足跡を追うほか、ヨーロッパの「サッカーと戦争」の暗部を暴く、もうひとつの戦史。
ボロブドゥール遺跡、プランバナン遺跡、ディエン高原、ゴドン・ソンゴ遺跡、東部ジャワのシンガサリ王朝からマジャパヒト王朝までの遺跡群。ジョグジャカルタ、ソロ、セマラン、スラバヤ、そして首都ジャカルタ。港市国家バンテンの遺跡まで…。ジャワ島の魅力を一挙公開。