「春日局」が乳母だけならば、あんなに威張って天下の権を握って、死ぬまで大奥にいられることもない。春日局の実父が「本能寺の信長殺しの斎藤内蔵介だった」という点も、併せて考えさせられる問題である。しかし春日局と家光の間柄を、これまでの俗説のように乳母とみてゆくと、可笑しすぎる事が多い…。家光出自の秘密と天海僧正の正体。
日本の古代史を覆す仁徳天皇陵の秘宝が朝鮮半島から帰ってきた。アメリカに流出した出土品とあわせ、「奇跡の秘宝展」開催で爆発的ブームをもくろむ新聞社の事業部員二人。だが、秘宝は開幕直前、仁徳陵に埋め戻されてしまう。窮地に立つ二人のまえに現れたのが、「北」の秘密指令を受けた工作員だった。絶対の聖域、天皇陵のなぞと憎むべき国家テロをテーマに描く現代ミステリーの極致。
争乱、謀略…混迷の最中にある中国・春秋時代の晋に、ひとりの若者が現れた。その名は士会。没落寸前の家に生まれながら、晋国一と謳われた武術と、秀でた知力を晋の名君・重耳に見いだされた士会は、次々に功績を残し名を挙げていく。名作『重耳』に連なる壮大な中国歴史小説。
オオカミ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ニワトリ、ヘビ、ネズミ、ネコ…身近な動物たちの歴史を知ると、意外な事実がたくさんあった!身近な動物たちがより親しく感じられる。豊富なペン画とともに書き下ろした動物の歴史まるわかり本。
長野県飯田市のダム湖で、バラバラ死体が発見されるという現実の事件が起きた。その後に姿を消したある管理人夫婦が犯人とされたが、事件を新聞で読んで、不審を抱いた小さな広告会社の経営者がいた。彼は自分なりに真相を推理し、竹村という刑事を主人公にして、生まれて初めての小説を書き上げた。だが、本当の大事件はそれからあとに起きた。数年後、彼はこの小説を自費出版したのだ。忘れもしない一九八〇年のクリスマス、後にベストセラー作家となる内田康夫とその処女作「死者の木霊」が、ついに我々の前に降誕したのである。
信長の生前、秀吉は毛利と和睦していた!疑惑の真相に織田有楽が挑む。
現代の経済のしくみを「資本主義」として理解するための見方をわかりやすく図解しています。
「駿河大納言様の御命を守るのだ」-父の仇討ちと修行のため旅に出ていた槇十四郎正方は、伯父の幕臣・土井利勝に江戸に呼び戻された。駿河大納言とは、将軍・家光の弟である。敵は将軍家に兵法を指南する柳生家。柳生には、裏の顔を支える、両角烏堂率いる七星剣と呼ばれる七人の刺客たちがいた。十四郎は、恐るべき暗殺剣をふるう彼らに立ち向かうのだが…。新たなる剣豪伝説、書き下ろしで遂に登場。
総人件費の抑制?能力主義の一種?人を使い捨てにする制度?-武田薬品の元人事責任者が、成果主義をめぐる幻想や誤解を解き、強い経営をつくる人事改革のあり方を明快に説く。
夏姫は風の神を体内に宿す。ゆえにこの妃を得るものこそ真の王となる。春秋期、絶世の美女の烈しい生をえがく話題の直木賞受賞作。
今日泊亜蘭は、まだ日本に本格的なSF作家がいなかった昭和37年、壮大なスケールの傑作長篇「光の塔」を発表した日本SFの先駆者である。その独創的な作品群はSFファンのみならず幻想小説の分野からも高い評価を受けている。本書は、奇想天外な方法で連続殺人を犯す怪人と刑事との息詰まる攻防を描いたSFミステリ「死を蒔く男」、昭和33年の直木賞候補となった風刺劇「河太郎帰化」、著者独自の世界を形成する和風ファンタジーの傑作「滝川鐘音無」「新版黄鳥墳」など、まぼろしの彼方から甦った珠玉の名品12篇を一挙に収録。
歴史小説の第一人者が1001の名曲を精選し、数多の演奏を聴き比べ、魅力の真髄に迫る世界に比類なき、音楽をめぐる随想。
沖縄におけるヤギ文化を豊富な資料と独自の取材でまとめたユニークな一冊。ヒージャージョーグー垂涎のヤギ料理店ガイドも収録。