都会で生活の糧を得る稼業に励み、週末、森と共存するナチュラルライフを実践する柳生博が紹介する森の快適生活術。
十兵衛亡きあとの混迷の江戸柳生。対する連也斎率いる尾張柳生の隆盛。-将軍家剣術指南役の家に生まれながら、坊主にさせられた烈堂は、不甲斐ない当主に代わって連也斎を倒すべく修行の旅に出た。めざすは父宗矩に剣禅一如の極意を授けた沢庵和尚の秘奥義。が、連也斎も同じものを求めていた。沢庵が遺した謎の問答をめぐり、烈堂の剛剣が鞘走る。
モンテーニュ、ベーコン、ルソー…。エラスムスが「最も学識深き」と呼んだプルタルコス(46-125頃)の浩瀚な著作『モラリア』は、『英雄伝』とともに数多くの熱烈な愛読者をうんだ。その中の1篇、エジプトの理知の女神イシスと太陽神オシリスについての伝説を記した本書は、古代エジプトの宗教・風土を伝えて極めて興味深い。
「服部一族が幕府転覆を企んでいる!」世に名高い伊賀忍者・二代目服部半蔵が没して六十余年。徳川家の覇業に尽くしながら改易に追い込まれた服部一族が、今また四代目半蔵のもとに再興を画し始めた…。その陰謀を阻止すべく、柳生新陰流の極意を会得した烈堂に、隠密として白羽の矢が立った。将軍家指南役の兄・宗冬の密命をうけ、忍びの剣に対峙する。
現代の日本人が使う箸が、古代中国では、食物をつまむ道具であると同時に、食物のある場に神を降ろすためのハシゴであったにちがいない、と気づいた時の驚き。神聖なハシゴであるなら、横におくものではなく、立てる形が正式であろう…。想像を進めてゆく楽しみを、熱く、面白く語る、魅力溢れる随筆集。
“昭和史の隠された巨人”の人物像を、夫人である白洲正子ら多数の知人の証言でたどる。
おへそどこ?おくちどこ、どこ、どこかな?
かのホメロス「オデュッセイア」の舞台を宇宙におきかえ、われらがロードストラム船長とその乗組員たちが繰り広げる大冒険を綴ったラファティ版英雄叙事詩。一行が向かうのは、快楽を貪る世界、巨人たちが毎日死ぬまで戦う世界、時間が異様に速く過ぎる世界、そして人喰い世界。世界のすべてを支える男の替わりを務めたり、はたまた動物に変身させられたり。危機また危機!故郷ビッグ・タルサにたどりつくのはいつの日か…奇想天外なアイデアの連続、どす黒いユーモアと幻想的ロマンティシズムに彩られた奇妙奇天烈な豊饒世界。偉大なるほら話の語り手、ラファティによる傑作長篇がついに登場。
三巻からなる「柳生武芸帳」。この行方を追い求める大目付の柳生但馬守宗矩を筆頭とする江戸柳生の門弟たち。そして柳生とは長年対立していた陰流・山田浮月斎一派が同じく武芸帳を追う。佐賀の竜造寺家再興を企てる夕姫たちも複雑に絡んでいく。一体、武芸帳に記されている秘密とは?五味康祐の最高傑作が遂に文春文庫に登場。
それを言っちゃオシマイのツッコミ満載。タブー知らずの毒舌映画漫才コンビが贈る第3弾。
猛将白起率いる秦軍は、領土を拡大するも宣太后らの私有地が増えるばかりであった。魏の巷間に身を潜めていた范雎は秦の昭襄王への謁見が叶い、天下の秘策「遠交近攻」を献じ、信任を得る。宰相となった茫雎は、政争の芽を的確に摘み、韓・魏・趙など隣国を次々に落とし、巨大帝国の礎を築いていく。始皇帝出現前夜、戦国期に終焉をもたらした天才宰相を雄渾壮大に描く傑作歴史長編。
八木教広原作によるコミックをマッドハウスがアニメ化したバイオレンス・アクション。過酷な少女時代を経て、半人半妖の女戦士となったクレアが妖魔と化した覚醒者との戦いの中で、自身もまた妖魔へと近づいていく……。
既存のタイム・パラドックスをあざ笑う表題作、スプラスティック・コメディ「古カスタードの秘密」、あの“四重奏”の荒唐無稽なパロディ「ベストセラー」、重力はないと“証明”する男の狂気を描く「月の消失に関する説明」、名探偵のサッカレイ・フィンやフェントン・ウォースが不可能殺人に挑む本格推理小説3篇、なぜか西部劇マニアな宇宙人が襲来する「ホワイトハット」、宇宙人が地球文化に溺れていく様を描く「おつぎのこびと」、グリム童話をさらに残酷に練り直した発禁寸前の「血とショウガパン」ほか、全23篇を収録。