張禄と名を変えて魏で潜伏していた范雎は、活路を見出し、敵国・秦へ赴いた。秦の昭襄王の信頼を得た彼は、偉才を発揮し、宰相に迎えられる。かつて彼に恥辱を与え、愛する人をも奪った仇敵たちに、ついに復讎する時がきた。やがて秦と趙との大決戦、長平の戦いが始まるー。「人生の美学」を貫きながら、大望と復讎の念、そして運命の女性の面影を胸に邁進する范雎。乱世の俊傑の波瀾の生涯を描く。
ヨーロッパ中世の哲学。それは一般的イメージとは異なり、けっして骨董品でも、神秘主義めいたものでもない。古代の哲学とキリスト教の思想を引き継ぎながら、科学的思考やさまざまな概念をつくりだし、近代を準備したいとなみだったのだ。“精妙博士”ドゥンス・スコットゥスの哲学を軸にしてヨーロッパ的思考を理解するための要をさぐる、アクチュアルな中世哲学入門。
争乱、謀略…混迷の最中にある中国・春秋時代の晋に、ひとりの若者が現れた。その名は士会。没落寸前の家に生まれながら、晋国一と謳われた武術と、秀でた知力を晋の名君・重耳に見いだされた士会は、次々に功績を残し名を挙げていく。名作『重耳』に連なる壮大な中国歴史小説。
文公、襄公の相次ぐ死後、覇権争いによりさらに乱れた中国・春秋時代の晋。身を呈し仕えてきた祖国・晋から離れざるを得なかった士会を、新たな時代の風が…。下級の一兵士から名宰相に上りつめた天才的な兵法家の清冽な生涯を描いた傑作歴史巨編。
長野県飯田市のダム湖で、バラバラ死体が発見されるという現実の事件が起きた。その後に姿を消したある管理人夫婦が犯人とされたが、事件を新聞で読んで、不審を抱いた小さな広告会社の経営者がいた。彼は自分なりに真相を推理し、竹村という刑事を主人公にして、生まれて初めての小説を書き上げた。だが、本当の大事件はそれからあとに起きた。数年後、彼はこの小説を自費出版したのだ。忘れもしない一九八〇年のクリスマス、後にベストセラー作家となる内田康夫とその処女作「死者の木霊」が、ついに我々の前に降誕したのである。
柳生宗矩は、徳川将軍秀忠・家光の兵法師範であった。50歳を過ぎてようやくこの道の滋味を得た、という宗矩は、以後次々と伝書を書きついだ。寛永9年、行政官僚への転進を機に、新陰流の技法・理論を集大成して『兵法家伝書』を完成する。十余年後に書かれた『五輪書』とともに、近世武道書の二大巨峰といわれる。
「ちょー」シリーズの魅力がいっぱいの豪華本がふたたび登場!「ちょー魔王」以降のカバーイラストを一挙公開!カレンダーやテレホンカードなど、レアなイラストも満載!文庫本未収録の短編小説「ちょー舞踏への誘い」「ちょー青いドレス」。描き下ろしパロディマンガ。モノクロイラストCD…。野梨原花南&宮城とおこのコラボレーションでお届けするちょースペシャル本。
史上初の超大国ローマ。その拡大の原動力は柔軟な「平和政策」にあった-英雄カエサルを引き継いだ初代皇帝アウグストゥスの構想力を探り、帝国誕生までの道のりをたどる。
SJC-P試験は、Java認定資格の第一歩。的確な解説で合格に直結する知識が身に付きます。総仕上げは、この一冊で!認定講師の著者による書き下ろし厳選352問。チェックボックスを活用して試験直前に弱点克服。
21年ぶりのご開帳の準備に追われる僧侶・無状は、「あのお薬師さまは偽物だ」と言われて困惑する。昔、火事から少女が助け出した際に折れたはずの指がある、というのだが。芥川賞作家が記憶の謎、「心」というミステリーに挑む表題作。人工透析で生きる妻の願いと夫の愛を描く「ピュア・スキャット」を併録。