項羽と劉邦。友、臣そして敵。かれらの眼に映ずる覇王のすがたを詩情あふれる文章でえがく五つの物語。作者最愛の名篇集。
“伊賀鍵屋の辻”で名を馳せた荒木又右衛門の息子、三十郎が出奔して五年。病の床に伏した又右衛門は、柳生烈堂に不肖の息子の探索を依頼した。「父を見返すため、名刀を手に入れて戻ってくる」という書置きを唯一の手掛かりに、烈堂もまた名刀を訪ねる旅に出た。だが、烈堂の前に、探索阻止を目論む謎の忍者集団が!三十郎の身に何が?柳生新陰流の剣が唸る。
教会史上、正典につぐ地位を占めてきた諸文書。古代キリスト教会で評価の高かった「十二使徒の教訓」、黙示文学の形式で書かれた「ヘルマスの牧者」の他、「バルナバの手紙」「クレメンスの手紙」「イグナティオスの手紙」「ポリュカルポスの殉教」など十篇を学問的に原典から訳した、新約聖書の世界の全体像を把握するために必読の書。
軽く丈夫な機体の構造や安全のための工夫、操縦システム、エンジンと燃料系統、機体システムなど、「より安全に速く大量に」を目指す航空技術の最先端。仕組みと実際の作動状況をビジュアル解説。
十兵衛はふしぎな感覚にとらえられていた。謡の声、笛、鼓が耳の奥で響いている。金春竹阿弥の声がした。「十兵衛さま、あなたさまはご先祖の満厳さまに変身されたのです!」「冗談ではない、前の帝・月ノ輪の宮とお前の倅・金春七郎に後水尾天皇が刺客を放たれたので、助っ人に乗り出したとこだぞ!」。そして竹阿弥もなんと世阿弥に変身していた!天皇の地位、幕府転覆をねらう大陰謀に足利義満、一休、後水尾天皇、由比正雪、紀伊大納言頼宣がからむ。剣豪柳生十兵衛の剣と人間くささを描き、奇想天外かつ幽玄な究極の時代小説。
孟嘗君亡きあと、謀略に落ちた慈光苑の人びとを助け新たな一歩を踏み出す呂不韋。秦の始皇帝の父ともいわれる政商・呂不韋の激動の生涯。
石舟斎、宗矩、十兵衛…綺羅星の如く名剣士を輩出し、将軍家指南役にまで登りつめた柳生一族。その末弟に生まれながら“はぐれ柳生”の道を歩む烈堂は、柳生新陰流秘奥義「西江水」を会得、一族最強の剣士に成長していた。が、その烈堂を一敗地にまみれさせる驚愕の敵が現われた。“神の剣”を操る最強の敵に抗すべく、烈堂は開祖・石舟斎の“無刀”の境地に挑む。
哀れな国だ。子産の目は憂色にみちている。君主の時代が終わり、大夫たちが主権を争う春秋時代のなかば、中原の小国・鄭は晋と楚という二大国の間で向背をくりかえしていた。いまや民は疲弊し、国は誇りを失おうとしている。乱世の戦場にあざやかな武徳をしめす名将・子国の嫡子に生まれ、この時代最上の知識人となる子産は、信義なき自国の悲哀をみつめながら波瀾の人生へと踏みだしてゆく。
セラピストとして活躍するブタ、飼主に贈り物をするネコ、ヤギと友だちになったオオカミ、脱走が趣味のオランウータン、飼育係をだましておやつの二重取りをするゴリラ…。イヌやネコなどのペットをはじめ、私たちは日常生活のなかで、絶えず動物に出会っているのに、ほとんどの人にとって動物は風景の一部にすぎない。本書では、獣医、研究者、動物園の飼育係など、動物たちと日々つきあい、彼らの機知や工夫、信頼や嘘を目の当たりにしている人々から集めたさまざまなエピソードをもとに、驚くべき動物たちの姿を紹介する。
超豪華執筆陣が一堂に会した、珠玉の中国歴史小説十一篇を収録。いずれ劣らぬ名手の競演。項羽と劉邦、楚の馬殷、武帝の臣、歴史を薬籠中のものとする手練の妙を心ゆくまでお楽しみください。
それ言っちゃオシマイのツッコミで映画100本メッタ斬り!業界に最もイヤがられた映画漫才5年分。
親元から離れ、大学生活を海辺の町で始めることになった佐伯雄二。合格祝いとして父から贈られたカメラをきっかけに、新生活は写真を中心に回り始める。明るく柔らかな光と風の中で展開する友情と恋、そして両親の秘密ー。新しい世界を得て成長する一人の青年の四年間を爽やかに描いた、長編青春物語。
宇宙の真理を数学的手法で求めたパルメニデス、対象化されざる「自己」の真理を求めたソクラテス。哲学の始源に見いだされる二つの道は、時に離れ、時にもつれあい、西洋哲学の流れを紡いでいった。それはいまもアクチュアルな問いを発し続ける…。歴史の霧のなかから、人間の思想のドラマが立ち現れる。独自の観点からの西洋古典古代哲学入門。
人の心はこう変わり、こう癒されていく。
ぼくのだいすきならいおん。おたんじょうびがいつか、わからないんだって。だから、ぼくといっしょにおいわいすることにした。そしたらね…かっこよくて、やさしくて、おまけに力持ち。そんならいおんと「ぼく」のゆかいなおはなし。3さい〜。