医術の才に恵まれた兄の律秀と物の怪の姿が見える弟の呂秀は、庶民の病を診て薬を方じ、祈祷で禍を退けながら暮らしている。村に流れる物騒な噂を聞き調べる中で、呂秀は「新しい主」を求める一匹の鬼と出会いー。室町時代の自然豊かな播磨国を舞台に、陰陽師の兄弟が様々な怪異に迫る。珠玉の連作短編集。
人生を豊かにする大事なお金のはなし。
叶わぬ恋の恨みか?乃木坂のプレイスポット、カフェバー「クロ」でゲイのミツルが殺された!?凶器は青酸入り口紅。「クロ」は常連で混んでいる。紅子も毎晩「クロ」に寄る。ストレートのロングヘア、赤いタイトスカート、黒いハイヒールというぎんぎんの娼婦スタイル。ミスティ・ガール紅子、通称紅子は夜の顔。昼は年商10億、カフェバー「クロ」等、5社を傘下に持つ平岡事務所社長、平岡ハル。紅子が好きなのは、カンパリのペリエ割り、オトコ、殺人事件。-
デュークが死んで、悲しくて、悲しくて、息もできないほどだったのに、知らない男の子とお茶をのんで、プールに行って、散歩をして、美術館をみて、落語を聴いて、私はいったい何をしているのだろう。デビュー作「桃子」、はないちもんめ童話大賞受賞作「草之丞の話」、書き下ろし新作「スイート・ラバーズ」など、江国香織の童話集。
大いなるほうき星のもと、圧倒的な筆力で、小説の醍醐味を堪能させる特別書下ろし長篇ついに完結。人間の器量と天命を存分に描き、深い感動を呼ぶ。
沖縄戦開始の日の夜、「赤十字看護婦の歌」を歌いつつ陸軍野戦病院へと出発したひめゆり学徒隊。16歳の少女は、そこで何を見、何を体験し、何を感じ、何を思ったかー。砲弾の下の3ヵ月、生と死の境界線上で書き続けた「日記」をもとに戦後50年のいま伝えるひめゆり学徒隊の真実。
一本の槐の樹からすべては始まり、函谷関に至る。青年風洪の光と夢に祝された華麗なる物語世界。宮城谷中国小説のついに最高傑作。
日本の常識がアメリカでは非常識ー。アメリカ人の夫、二人の子供とともにサンフランシスコで暮らす著者が経験した、日本とアメリカ、“逆さの常識”の数々。日米間の誤解やすれ違いの原因を、日常生活の現場から具体的に考える。