一日も逢わずにいられないーそれがはじまりだった。作家・吉行淳之介をずっと傍らでみつめてきた。彼が出かけるとき、その背中に「もう帰ってこないかもしれない」と思ったこともあった。そして「まりちゃん」と言い残して逝ってしまうまでー恋は37年間つづいた。
本書は、外来帰化動物たちの、現在の置かれている立場・姿を、一部擬人的な表現、つまり、動物たち自身の「コトバ」を用いて、この問題を一冊にまとめたものである。
商買の道を捨て、荘襄王とともに、理想の政体を求め、秦の政治改革をすすめる呂不韋。しかし…。
善良な一市民であるリチャード・メイヒューは、ロンドンの道ばたで怪我をした少女を助けたときから、彼のごく普通の暮らしは一変してしまう。その瞬間から、彼は夢にも見たことのない世界へ投げ込まれ、そこでは闇のサブカルチャーが、町の下にある廃線となった地下駅や下水の中で栄えたのだ。彼が知る世界よりはるかに奇妙で危険な世界が…。
かあさんやぎのるすをねらってやってきたはらぺこおおかみ。7ひきのこやぎをたべようと、あの手この手で、げんかんのドアをあけさせようとしますが…。おなじみグリム童話を、トニー・ロスがユーモラスに味つけしました。
本書は、明治憲法の実像に迫り、起草者たちの姿勢と思想から日本の国柄とは何かを問う。現行の憲法論議に新たな視座を与える一冊。
明智光秀にはアリバイがある。日本史上最大の謀反、本能寺の変驚愕の真相。
ひとがよく生きるとは、英気とは、矜恃とは。無辺の天地におりなす壮大な人間劇。清冽なおどろきにみちた、歴史文学の世界。
箏曲「春の海」「水の変態」をはじめ数々の美しい作品をのこした宮城道雄。その鋭い感覚に支えられた豊かな才能は、随筆にもあらわされた。作家らとの多彩な交流をはじめ、四季の情景、芸の話、失敗談、紀行、家族のことなどをやさしく語った43篇に、林芙美子との対談を加える。
代々『入らずの森』を管理してきた桜田家。その次期当主・宗一郎に早紀子は、萌とともに捕らえられていた。彼女の現状を知らない御霊部の飛鳥井柊一は、ダウジングで早紀子が桜田家にいるらしいと知る。早速、柊一は宗一郎を訪ねるが、出迎えたのは弟の裕樹だった。仕方なく彼に確認を取るが、話すうちに喧嘩になる。そして、不覚にも召喚獣の毒を受けた柊一は、昏倒してしまい…。
怒涛の1千年史。壮大なフィクションか、それとも隠された真実の歴史なのか?これまで何人によっても書かれることのなかった封印された歴史に挑んだ、八切止夫の最高傑作。
19世紀、オーストラリア。貧しいアイルランド移民の子ネッド・ケリーは、幼いころから獄中の父にかわり、母と6人の姉弟妹を支えてきた。父の死後、母はネッドを山賊ハリー・パワーに託す。だがそのせいで、ネッドはわずか15歳で馬泥棒の共犯容疑で逮捕されることになった。出所したネッドは、美しい娘メアリーと出会い恋に落ちるが、ようやくつかんだ幸せも長くは続かない。横暴な警察は、難癖をつけてはネッドや家族を投獄しようとしてくる。いまやネッドと弟のダン、二人の仲間たち“ケリー・ギャング”は、国中にその名を轟かすおたずね者となっていた。あまりの理不尽さに、遂にネッドは仲間と共に立ち上がるが…。死後百年を超えてなお人々を魅了しつづける実在のヒーローの真実の姿を、彼がまだ見ぬ娘へ綴った手紙を通して描く感動作。ブッカー賞、コモンウェルズ作家賞受賞作。