乃木坂カフェバー・クロ。紅子の指定席、カウンター左端。「昨日は一度も見えませんでしたよね?」店長のノブオは、この頃、紅子のあれこれー服のこと、お行儀のコト、オトコのことを問いたださなくなった。今夜の紅子は、黒シルクのフレアのミニワンピースに黒のハイヒール。昨日は警察に出頭し、今日の服は喪服。クロの常連の女の子が絞殺されて、手首を切り取られた事件が起きたのだ。相次ぐ事件に、いけない気持ちがムクムクーッと湧き起こってくるのを、紅子は止められない。大好評、ミスティ・ガール紅子シリーズ、ラッキーセブンの7冊目。
将軍指南役である又右衛門宗矩をして「柳生の血筋にも二人とは出ぬ麒麟児、剣の鬼神」と舌を巻かせた兵介の剣技はますます冴えたが、兵介を倒さんとする武芸者も次々と兵介の前に立ちはだかった。山賊の首領根岸矢柄からも執拗な襲撃を受けるが、伊賀忍者で兵介の妻ともいうべき千世の助勢で矢柄を倒し、廻国修業の旅が続く。
廻国修業を続ける兵介は加賀前田家の城下町金沢に入った。富田流小太刀の名手・富田越後との立ち合いを望んだのである。前田家の当主利長は徳川家に心を許しておらず、兵介は徳川方の間者として斬られる危険もあった。しかし、立ち合いを見た利長は兵介の腕に感服し、彼は手厚く処遇された後、故郷の柳生に向けて旅立つが…。
祖父石舟斎の死を契機に、兵介は十津川山中で百日の荒行に挑んだ。瞑想を続けるうち、兵介の心眼はとぎすまされ、石舟斎の霊に語りかけ、鳥たちの語らいをも理解できるようになり、剣技はますます冴えた。柳生の館に戻った兵介は叔父宗矩の命で、伊賀上野の筒井家をめぐり暗躍する百地、服部の忍者群と熾烈な戦いをくり広げる。
名古屋を去り、城下小林の書院で盛山作りを楽しむ兵庫助のもとに宮本武蔵が訪れた。円熟の境地に達しつつある二人は、剣の道について静かに語り合う。二度目の妻珠との間に生れた七郎兵衛の剣才を見ぬいた兵庫助は、新陰流正統第五世を七郎兵衛に相伝させ、京都妙心寺の柳庵に入った。剣一筋の生涯であった。
ねこが主人公のお話が8編、勢ぞろい。ネズビットやフィリパ・ピアス、宮沢賢治の作品をはじめ、民話や絵本やマンガの名作から、ゆかいな話、かなしい話、ふしぎな話などなど、とっておきの話をあつめた短編集です。ねこ好きはもちろんのこと、みんながたのしめる、ねこファンタジーランドへようこそ。小学中級から。
後家好みの徳川家康の命を受けて、淀君誘拐を企む柳生但馬守。それを知った真田幸村が、秀吉なき後の豊臣家安泰のために猿飛佐助に授けた意外な作戦とは…。表題作他、巌流島で死ねなかった佐々木小次郎の晩年の物語や、秀吉の落胤、名古屋山三郎の生涯、名将竹中半兵衛の最後の決断など痛快時代小説八篇。
その夜、オーラトゥナの谷は、アヴェーラ帝国の軍勢による紅蓮の火焔で包まれていた。燃えさかる炎の中、5人の少年少女が谷を離れた。それぞれが、それぞれの方法でー。5年後ーアヴェーラ帝国の将軍の養女となり生きのびたマナ・ラーヴァは、養父のもとから去る決意を固めていた。数日前、彼女に届いた一通の手紙がきっかけとなった。ラトゥースの仲間に逢うために、そして、自らの爪から発せられる赤い光の秘密を求め、マナ・ラーヴァは荒野に向かい旅立つ。谷に秘められた“冥界の扉”とは?5人の“妖手の守護者”たちに背負わされた運命はいかに。英雄幻想譚、新シリーズ登場。
さまよえる狼(放浪公子)重耳とその家臣団の前に現われた陰謀はらむ謎の女驪姫。晋の真の王者をめざし、生死の境をゆく名将名臣たちの深慮遠謀。
徳川三代将軍・家光の治世ー。兵法指南役である柳生一族は、幕府の隠密でもあった。剣技では兄・十兵衛を凌ぐといわれる柳生刑部に、異形の闇軍団が襲いかかる。死闘の連続。闇軍団を操り将軍家転覆を謀る秘策が明らかとなったとき、白刃一閃、黒幕に斬り込んでいく刑部。渾身の時代伝奇小説。
取材のために訪れた向島は玉の井の私娼屈井の私娼窟江匡はお雪という女に出会い、やがて足繁く通うようになる。物語はこうして〓東陋巷を舞台につゆ明けから秋の彼岸までの季節の移り変わりとともに美しくも、哀しく展開してゆく。昭和十二年、荷風五十八歳の作。木村荘八の挿絵が興趣をそえる。
古代中国の魅力と楽しみ。文字や色や美女を描き、著者の素顔を伝える随筆集。
無敵のアマチュアリズムで、第一級の化石標本6000点。化石採集の名人となった著者が伝授する化石採集の“ヨロコビ”とその極意。巻末には、化石採集のコツ、化石産地869カ所、展示施設157カ所の一覧表付。