京都市最高峰の山、愛宕山。火伏せの神様として信仰を集めるこの山に近世まで仏教寺院があったなど意外に知られていない事実は数多くある。これまで学術調査の入ったことのなかった愛宕山と愛宕信仰に光を当て、その歴史と民俗を紹介する。
悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが…。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編、疾風怒涛の第一巻。
始皇帝は没した。宦官・趙高の奸策により公子扶蘇は自害。皇帝として末子胡亥が即位した。胡亥・趙高により苛政はより激しさを増した。九百の雑役夫を率いて辺境の守備に向かっていた陳勝と呉広が、悪天候による移動の遅れから、「遅参も死、逃散も死、どうせ死ぬのならば」と、蜂起した。反乱軍は瞬く間に万を超え、ついに戦乱の火ぶたは切られた。群雄湧き起つ、烽火燎原の第二巻。
脚本家ヴィクトリアの再婚相手は、映画プロデューサー。二人の共同作業となる映画の企画も着々と進行し、順風満帆と思われていたのだが…。ヴィクトリアの誕生日当日の朝、夫は客間で死んでいた。死因は毒殺。同じく毒殺死を題材とする新作を書いた彼女に疑惑の目が向けられた。事件は、悲劇と呼ぶにふさわしい結末を迎える。古典五十傑にも選ばれた、本邦初紹介作家の傑作本格ミステリ。
均整と統一という明確な方法意識を持っていたポオ(1809-1849)は、短篇小説に絶妙な手腕を発揮した“スタイリスト”であった。胸躍る痛快な暗号解読の物語『黄金虫』、夢幻的雰囲気と緊迫感にひたされた『アッシャー家の崩壊』-。『ボン=ボン』『息の紛失』等、ノンセンス物も収録した、ヴァラエティゆたかなアンソロジー。
秦の不敗の将軍、章邯に包囲された絶体絶命の魏王を救うべく、田〓(たん)率いる斉軍は、臨済へと向かった。秦軍は二十万、迎え撃つ魏斉連合軍は十万。田〓(たん)は、章邯の自在な用兵、精緻な機略の前に苦戦を強いられる。田横は義を以て楚に援兵を乞い、楚の勇将項梁は、項羽・劉邦・黥布らを率いて、章邯の大軍と激突する。楚漢戦争前夜、帝国秦の終焉を圧倒的迫力で描く、驚天動地の第三巻。
無辜の民をも殱滅する残虐無比の項羽と、陰謀と変節の梟雄劉邦。中国の人口を半減させたといわれる楚漢戦争が勃発した。緒戦こそ劉邦は項羽に敗れたものの、劉邦の壮大な包囲網に項羽は追いつめられていく。人民にその高潔英邁を尊崇された不撓の人、田横の正義さえも、漢軍の奔流に呑まれていく。著者をして「理想像」と言わしめた不屈の英雄を描く傑作、明鏡止水の第四巻、完結編。
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。
「管鮑の交わり」で知られる春秋時代の宰相・管仲と鮑叔。二人は若き日に周の都で出会い、互いの異なる性格を認め、共に商いや各国遊学の旅をしつつ絆を深めていく。やがて鮑叔は生国の斉に戻り、不運が続き恋人とも裂かれた管仲を斉に招くー。理想の宰相として名高い管仲の無名時代と周囲の人々を生き生きと描く。
鮑叔は斉国の公子小白の傅となり、管仲はその兄弟・公子糾の家宰となった。君主の座をめぐる争いで、二人は戦場で敵同士となる。追いつめられた管仲の放った一矢は虚空を横切り、小白の腹部に刺さった…。新しい時代の霸者が生まれるまでのドラマを、鋭い人物描写と為政への洞察で読ませる渾身の長編。
動物園の革命児坂東副園長が語る動物たちへの思い。とっておきの写真を初公開。
悪名高い豪商だけを狙い、誰も傷つけぬ。盗むのは五百両以内。七福神の面を着けた七人の盗賊は義賊として庶民に歓迎された。風烈廻り与力青柳剣一郎は、御奉行から七福神捕縛の厳命を受けた。そんな折、辻斬りに殺された男が一味の一人と判明。さらに七福神が次々と消されていく。誰が何の目的で?青痣与力の人情裁きの剣が冴える、人気シリーズ第五弾。
いろいろな動物の子どもたちが、それぞれ、おかあさんのリュックに入って、おでかけです。おまじないのような言葉の面白さ。そして、単純な線とはっきりした色使いでユーモアたっぷりに描かれた絵。「いってらしゃーい、ばいばーい」と手をふる楽しさがいっぱいの赤ちゃん絵本。
この帽子を深くかぶった動物は一体誰だろう。そこで、「めんめん ばあーっ!」と、帽子を脱ぐと…。この絵本は、赤ちゃんが大好きな「いないいないばあ」遊びがもとになっています。わらべ唄のような心地よい言葉のくりかえしと、「ばあーっ!」といって、つぎつぎ登場する動物たちのいきいきとした表情が、赤ちゃんの気持ちをとらえてはなしません。
赤ちゃんにとって、暗い部屋で電気を点けて、ぱっとあたりが明るくなったときのうれしい気分は特別です。「でんきをつけてちょうだい」すると、暗い部屋の中の黒い影が、スイッチを入れます。この絵本は、電灯のスイッチを入れることによって、一瞬のうちに闇が光へと変わる喜びをユーモラスに描いた赤ちゃん絵本です。
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。-綿貫征四郎の随筆「烏〓苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。
鎌倉期の重要人物金沢北条氏の基本図書!精緻な史料研究、古文書の科学的分析等から鎌倉時代の政治史を大胆に再構築。初代実泰に始まり、金沢文庫の創始者実時から北条高時とともに幕府崩壊まで鎌倉幕府を支えた貞顕まで、金沢北条氏を総合的に検討。
はじめてのおるすばん…。こやぎたちはおかあさんのいいつけをまもれるでしょうか?なんどよんでもおもしろく、スリリングなグリムの名作です。