他界と交流する霊能者、巫女や行者たちの信仰と修行法、儀礼的登山や治療行為などを日本各地で精力的に取材・調査し、文献資料による考察も加えてまとめあげた、英国の著名な日本研究家による画期的研究。日本的シャーマニズムの全体像を解き明かし、日本人の宗教の古層を蘇らせる。下巻は行者の霊力、他界への象徴的な旅、託宣、加持・祈祷などを扱う。
百人に一人という岩魚釣りの名手であり、日に五、六里の山道を二往復するほどの重宝なポーターであり、フランス・スキーの達人であり、ほれぼれするほどのギターの上手-。そんな様々な言葉で讃えられる魅力溢れる自然人の世界を凝縮した、画文集。『山からの絵本』『山の声』『山で一泊』などの名著からの作品、そして幻の名作「すぎゆくアダモ」も収録。山と人をこよなく愛し、自然を謳歌して生きた、辻まことの世界。
南米大陸の南端パタゴニアー本書は一九五八年に日本・チリ合同探険隊の未踏査氷陸地帯探険と処女峰アレナーレスの登頂の記録。登山家、心理学者であった著者の眼は探検記の中に卓抜した人間ドラマを描き出した。一九六二年マルケサス群島ヒヴァオア島沖で消息を絶った著者の遺稿。
釣りというのは、魚を釣ることもそうだが、風景をも釣ることではないかー釣り師は、清流や渓流沿いの風景に身を濯われることが何よりもたのしいのだ。風景の釣り師が、あざやかな竿さばきで描く、川釣りの風景と人生。
幼くして芸者に売られ、戦中戦後の混乱期を生き抜いた女性の数奇な半生。一見華やかな芸者という職業の陰に隠された近代民衆の苛酷な生と、そこに息づく力強い魂の姿が今鮮やかに浮かびあがる。
優しくも苛酷な海をもっとも美しく描いた作家、コンラッドの船乗り時代。海に生きる人々の生活、忘れがたい仲間たちとの出会いと別れ、船への想い…。人生を映す鏡のような海の想い出を愛情をこめて綴る、珠玉の海洋エッセイ集。
まず旅芝居の黒子、つぎに忍者の弟子、そのつぎが金山寺の念猫と、まねしているうちに、とのさまのお気に入りまで出世したオイラ。けれども、こんどの道中の最初のまねは、なんと、どろぼう…。小学中級から。
「にげだしたかたやきパン」は、昔話であっても、ナンセンスなおかしさをもつ童話といったかんじで、幼児の日常感覚そのままにお話の世界へ運びこんでくれます。このお話はイギリスの昔話から採ったものですが、ヨーロッパの各地にも類話があって、子どもたちの喜ぶ繰り返し話として親しまれてきました。
村にあらわれた鉄の巨人は、トラクターや自動車が大好物。くず金属置き場で毎日、はてもなく鉄を食べつづけていた。そんなある日、宇宙のはてからとほうもない怪物が地球にまいおりてきた。-オーストラリアに着陸し、あごをインド洋にのっけるほどのばかでかさ。鉄の巨人はついに宇宙怪物に宣戦布告。現代ファンタジーの傑作。小学中級から。
日本映画の“名傍役”を演じた懐かしの小物や古き良き風俗から昭和を覗き見た川本三郎の映画観察ノート。サライ連載中の人気コラム「映画の虫眼鏡」単行本化第3弾!見たい映画のビデオ発売元がわかる便利なインデックス付。
水は、酸素は、食料は。実験ロケットが火星に不時着し、乗組員の男ひとりだけが生き残った。不毛の砂漠で生き抜くために、勇気と英知を振り絞る。
『話の特集』の永六輔。創刊号(1966年2月号)から第352号(1995年3月号)まで、『話の特集』30年間の膨大な掲載作品から厳選されたベスト・アンソロジー。