ヨーロッパ精神史研究の大先達、つねにアクチュアルな思想家=レトリシアン、次々新しくスタートラインを引き直す方法的アマチュア…。よき対話者を得て自在に語り出された〈林達夫的精神〉の形成・遍歴・方法。
夢にも固有の歴史があった。夢を独自なうつつとして信じた「古代人」の文化と精神の構造のなかに、「忘れていた今」を想い起こす独創的な精神史。
婆娑羅の風を巻き起こしつつ、聖と賎のはざまに跳梁する「異類異形」、社会と人間の奥底にひそむ力をも最大限に動員しようとする後醍醐の王権、南北朝期=大転換のさなかに噴出する〈異形〉の意味と用を探る。
詩的感情と色彩感覚を音にした印象派の巨匠。詳細な解説と豊富な譜例で、大作曲家の名曲を的確に理解できる。
「最新名曲解説全集」を作曲家別に増補再編。詳細な解説と豊富な譜例で大作曲家の名曲を的確に理解できる座右の書。
時間を超えて永遠の若さと生命を保ちつつ無限の自由を求める仙人は、人類の根源的夢想の体現者である。彼らのまことに自由でユニークな姿を活写する、中国仙人伝の双璧。
アイヌの人々の間で口伝えに語り継がれてきたウゥェペケレ(昔話)、20話。悪い根性を懲らす痛快な、よい生活の作法を教える温かな話の中に、人間と自然と神とが自在に交流し共生する世界のあり方を告げる。
ミソサザイの神、クマの神、カワウソ神や、ほかさまざまの神々が、知恵と勇気が報われる話、強情とひとりよがりが懲らされる話、天と地のはじまりの物語を謡う、アイヌの歴史と文化の結晶。
想像上の世界を縦横に走る山脈、そこに息づく奇怪な姿の怪力乱神たち。原始山岳信仰に端を発し、無名のひとびとによって語り継がれてきた、中国古代人の壮大な世界観が甦る。
私たちを魅了してやまない生物の世界をつぶさに観察し、そこに混沌とした生存競争の修羅場ではなく、秩序と共存の法則を見出すー。現代生態学に多大な影響を与えた〈棲みわけ理論〉を展開する不朽の名著。
大地のように古く、森の木の切り口のように新鮮な、独特なことばの響きー。〈ロマンセ〉という抒情風物語詩の様式を用い、ジプシーの生活を主題とした、史上、もっともスペインの民衆の心をとらえたといわれる詩集。
漢字はその構造のうちに、古代の人々の思惟や生活の仕方を豊かに伝えている。想像を絶するほど広大な漢字の歴史世界をはるかに見渡し、そこに隠された精神史の諸相を鮮やかに捉えた達意のエッセイ集。
余人の追随を許さぬ史料の緻密な読み、歴史の構図と人物の適確な把握ー公・武の頂点に君臨しようとする義満の動きとその死、そしてそれ以後を簡潔に力強く描き出す歴史叙述の傑作。
世界にひびく諸民族の音ー日本のわらべうた、民謡から、北アメリカ、アジア各地の歌謡・民族音楽まで、鋭い分析と魅力的な語り口で音楽と人間のかかわりを根源から見つめなおす。
土壌を改良し、景観をかたちづくるミミズの働き・生態を初めて明らかにしたダーウィンの古典的名著。