本書は、量子力学をこれから学ぶ読者のための入門的な教科書/参考書である。取扱う内容を、ほぼ半年の授業でカバーされる基礎的な部分に絞り、その範囲でなるべく丁寧なわかりやすい説明を心がけた。第二に、演習問題に力点を置く構成とした。演習問題は、各章の最後にまとめて置くのではなく、なるべく、本文中の関連部分に埋め込んだ。すなわち、学んだことを(後からまとめてではなしに)すぐにその場で「演習」により確認するーというスタイルで書かれている。
敗者は勝者から否定され、歴史から忘れ去られるのか。北朝初代の天皇、上皇となった光厳院は、南朝の後醍醐天皇や足利尊氏に翻弄され、二度も生き地獄を味わった。歴代天皇から外された悲劇の生涯とその時代を描く。
写真家荒木経惟と愛妻陽子がこよなく愛したチロ。センチメンタルで生きる歓びにあふれた荒木ファン必携の写真集。
『西遊記』『三国志演義』『水滸伝』『金瓶梅』、これら四つの物語は、中国はもとより、東アジア全域にわたって古くから親しまれ、その影響力は、今日もなお衰えることなく保持されている。本書は、底知れぬ魅力と可能性を秘めた「中国四大奇書」の多彩な世界を、第一線にあって活躍する中国文学研究者が、最新の研究成果を踏まえて、さまざまな角度から解き明かそうとするものである。平成十一年度の懐徳堂秋季講座での同テーマの講演にもとづく論集。
古代ギリシアの三大哲学者、ソクラテス・プラトン・アリストテレス。アテナイを舞台に活躍した、この三人の哲人によって、西洋哲学の基礎は築かれた。哲学とは、なにを、どのような仕方で問う学問だったのか。彼らが遺した言葉に思索の「原型」を探り、またそれを通して、人間を取り巻く諸問題を解明していく。
「メディアはメッセージである」メディアが発したメッセージ以上に、まさに電子メディアそれ自体が現代人の知覚を広げ、価値観を変えた。「メディアはマッサージである」この冗句も日々の生活で体感される。先駆者として甦るマクルーハンの理論を多彩な視角から浮き彫りにする。
「文化人類学」は、その名前を見ただけで「むずかしそう」「硬そう」という印象をもってしまい、ふれてみようとも思わない人が多い。本書は、そういった「外見」で判断してしまう読者を、楽しい文化人類学の世界へ引きずり込む、わかりやすい入門書。
つるばら村のくるみさんが、赤い屋根の小さなパン屋さん「三日月屋」をひらいてから、三年がたちました。近ごろ、パンの売り上げがあまりよくありません。どうやら、新しいベーカリーができたようなのです。ライバルの出現になやみながらも、けんめいにパンをやくくるみさんのまえに、ぶっきらぼうだけどちょっと気になる存在の養蜂家・ナオシさんがあらわれて…。ぴんと背すじをのばした、くるみさんがまぶしい、元気いっぱいのおいしいファンタジー。小学中級から。
子供の犯罪は親の責任なのか?戦争責任とは?環境への責任とは?そして、未来に対するわれわれの責任とは?本書は、これらの具体的な問題を通して、これからの時代をいかに生きるべきかを徹底的に問い、21世紀の新しい思想を構想する。主著『トランスクリティーク』への入門としても最適。
本書は、微分積分学と線形代数学の基礎的な部分を終えた人達のための「数値解析への現代的入門」を意図し、非線型方程式、行列演算(連立1次方程式・固有値問題)、補間・数値積分、常微分方程式の初期値問題、常微分・偏微分方程式の境界値問題(差分法・有限要素法)の分野について、基本的な数値解法、および誤差評価の手法を解説したものである。