あそぶのがすきで、べんきょうが大きらいな王さま。だから、いつも大臣にしかられてばかりいます。王さまはくやしくてなりません。ところがある日、おもしろいことを考えつきます。「めいたんていになって、大きな事件をみごとに解決してみせよう」。大臣は、きっと王さまを見なおすにちがいありません。いよいよ王さまめいたんていの登場です。
浜辺に打ち上げられた巨大な物体。絡みつく藻やゴミを取り除いて現われた水死体のあまりの美しさに、村の人々は息をのみ、何くれとなく世話を焼く。ガルシア=マルケスの表題作「美しい水死人」をはじめ、17人の作家が、独特の時間の流れの中に織りなされる日常と幻想の交歓を描く。豊穣なラテンアメリカ文学の薫りをあますところなく伝える短編集。
新宿で飲んだ帰りにヤクザにからまれた土下座させられたサラリーマンが一念発起して練馬の空手道場に通い始めた。「強くなりたい。ケンカに勝ちたい」の一心で男の腕前はめきめき上達した。不倫のホテル帰りに再び同じヤクザにからまれた男は、若いOLの手前、りきんだのだが…。異色格闘技長編ロマン。
時は平成元年、東京ドーム。リングでは前田日明の異種格闘技戦が行われております。その試合を見つめるハンチング帽の男。おう、なんと。この世を去ったはずの力道山ではありませんか。「あの小僧とセメントで闘りてえ。前座はおめえたちだ」27年間の冷凍睡眠から眼醒めた力道山は馬場と猪木にそう命じたのでごさいますープロレスをこよなく愛する著者がおくる夢のプロレス小説。
凍てつくブダペストの橋の上で、あの女は、わたしを待っている-異様な衝動につき動かされ、見知らぬ町の遠い女を捜しにやって来た美しいアレーナを待ちうけていたものは…コルタサル「遠い女」未知の世界への探検熱に取り憑かれ、狂人たちを引き連れて船出した騎士フォン・クヴァッツの数奇な運命…ムヒカ=ライネス「航海者たち」ポーの正統的な継承者、フリオ・コルタサルの表題作をはじめ、現代ラテンアメリカ文学の多様性をあますところなく伝えるパス、フエンテス、ビオイ=カサーレス、ムヒカ=ライネスらの傑作全11篇を収録。驚倒すべき想像力が紡ぎ出した、きらびやかな悪夢、奔放な空想、黒い哄笑が交錯する短篇集。
どうしたらいいのか、わからないとき。ひとりで悩まず、尋ねてみよう。
マヤイが、森の中であったのは、チック・タック・テックのオニの3きょうだい。さあ、「マヤイのとけいやさん」のはじまり、はじまり。
アテナイに巣くう謎をソクラテスが解体し、親友のクリトンが事件を記録する。あたかもホームズ譚を思わせるような舞台に、仕掛けられたバラバラ死体、衆人環視の死、狂ってゆく女たち、敵を求める男たち、そして…。すべてはアテナイを暗雲でおおうピュタゴラス教団の悪魔的所業なのか。『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で朝日新人文学賞を受賞した新鋭による受賞第一作。
リチャード、と彼女はささやいた。彼女の名前はヘレン、最新型の人口知能ー『舞踏会へ向かう三人の農夫』の天才作家が描く新世紀の恋愛小説。
「1978年前後生まれ」の世代は何を買いたいのか-。勝ち残る企業の商品開発。
母、藤原ていのベストセラー『流れる星は生きている』に衝撃を受けた一人娘が綴る母との葛藤と溢れるばかりの母への想い。