イタリアからみずみずしい才能が出現。85年生まれのピアニストが率いる同世代トリオの国内外デビュー作は、むしろしっとりとした落ち着いた趣が大きな魅力になっている。クラシックの影響も感じさせる優雅で耽美的なムードは、上質のワインのように美味。
これで10代というのだから恐れ入る。カフィーソのアルバムは、シシリー出身のメンバーと組んで、ジャズ・オリジナルを中心に取りあげたもの。ストレートアヘッドなプレイであってもどこかが違う。そこがこの若者の心意気であり、将来性豊かな証拠だ。
いくら世界的に評価の高い作曲家たちとはいえ、同時代のフルート協奏曲だけでアルバムを作れるのは、パユをおいて他にはいない。前衛的な作品ばかりなのに、ちっとも難解さを感じさせない。テクニックはもちろん、パユの音楽性のすばらしさに聴き惚れる。
エキゾティックなムードを湛えながらのご機嫌なジャズ・ヴォーカルとビッグバンド・サウンド。腕達者なミュージシャンのサポートを得て、フランスの女性シンガー、フロランスが魅力を爆発させる。フランス語の歌詞も4ビートによく似合っている。
実写版やミュージカル版『テニスの王子様』に出演経験のあるシンガーのファースト・アルバム。全曲自作による楽曲は率直な想いや日常の景色を綴った歌詞とシンプルなメロディを持ち、粗削りながらも感情のこもったヴォーカルとマッチ。フォーク・シンガーと名乗るのも頷ける一枚。
バロック時代にも“3大テノール”がいた。ビアード、ボロジーニ、そしてファブリはカストラートに対抗しえるスターだった。彼らのそれぞれの持ち味を類推し選曲し歌い分けを行なったのがボストリッジ。特にヘンデルのアリアは古楽オケの妙なる響きと相まって素晴らしく魅了される。★
最高の音で楽しむために!